ある日の夕方、中國南西エリアの雲(yún)南省瀘水市大興地鎮(zhèn)自扁王基村に住む高齢者の和玉芝さんは、村の衛(wèi)生室(診療所)にやって來て、楊華文醫(yī)師にマッサージ器で肩をマッサージしてもらっていた。人民日報が報じた。

村の診療所には、聴診器や血圧計、血糖値測定器、中醫(yī)學マッサージ器といった醫(yī)療設備がきちんと並べられていた。楊醫(yī)師は、和さんの血圧を測りながら、スマホのアプリを操作して、診察記録を記録していた。楊醫(yī)師は「『スマート村醫(yī)』システムができてから、補助醫(yī)療設備も増え、診療方法も多様化している」と話す。

湖南省衡南県の農(nóng)村両級醫(yī)療従事者も、「スマート醫(yī)療サポート」を利用できるようになった。醫(yī)師は、その醫(yī)療ビッグデータや人工知能を活用し、各地で集められた患者データや最新の投薬規(guī)範などと結(jié)びつけて、診斷や治療に役立てることができる。醫(yī)師の診斷と、スマート醫(yī)療サポートの結(jié)果が異なる場合、上級の醫(yī)療機関がすぐに質(zhì)問に答え、疑問について説明してくれる。20年以上農(nóng)村醫(yī)師として働いてきたある農(nóng)村の醫(yī)師は、「このようなハイテクサポートを利用するというのは、以前なら想像もつかなかったこと」と感慨深げに話す。

これまで農(nóng)村の醫(yī)師は、薬箱や聴診器を持って村の人々の家まで足を運び、診療を行っていた。一方、今は多くの農(nóng)村に近代的な醫(yī)療設備が導入されている。人工知能を駆使して、慢性疾患患者に定期的に自動で電話をかけて、音聲認識技術(shù)によりその內(nèi)容が記録されている。また、「5G+スマート醫(yī)療一體機」は13種類の検査をスピーディーに行うことができ、遠隔診斷も実現(xiàn)している。最先端のテクノロジーが農(nóng)村で応用され、村民は一層専門的な醫(yī)療サービスを受けることができるようになったほか、村醫(yī)のデータ記入といった事務作業(yè)も減っている。

以前、村の衛(wèi)生室で診察や治療を受けても、醫(yī)療保険適用の申請が複雑だったため、それが面倒で、體調(diào)が悪くてもなかなか診察に行く気になれないという村民もいた。一方、今では、電子カルテが日に日に普及し、村で診察や治療を受けても、手軽に醫(yī)療保険適用の申請ができるようになっている。

統(tǒng)計によると、2020年末の時點で、中國の行政村50萬9000ヶ所に、衛(wèi)生室が計60萬9000ヶ所設置されており、そこに勤務する醫(yī)療従事者は1村當たり平均2.37人となっている。2020年、中國の県級（県級市を含む）の病院で診察を受けた人の數(shù)は延べ11億6000萬人、郷?鎮(zhèn)の衛(wèi)生院で診察受けた人のか數(shù)は延べ11億人、村の衛(wèi)生室で診察を受けた人の數(shù)は延べ14億3000萬人に達し、村の衛(wèi)生室で診察を受ける人の數(shù)は、1ヶ所當たり年間平均2349人となっている。中國には現(xiàn)在、約70萬人の醫(yī)師が農(nóng)村の第一線で活躍し、村民の健康を見守っている。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語版」2022年7月18日