5月の中國対外貿(mào)易データが10日に発表された。市場の予想と比較すると、今回の結(jié)果には3つの「意外なこと」があった。中國新聞網(wǎng)が伝えた。
▽意外なことに輸出が予想より好調(diào)だった
稅関総署が10日に発表した最新のデータをみると、5月の輸出額は前年同期比7.7%増加し、伸び率は前月の2倍以上となり、市場の予想を明らかに上回った。5月の輸出回復(fù)傾向に牽引されて、1-5月の輸出額伸び率は1-4月を0.4ポイント上回った。
アナリストは、「中米の関稅措置がエスカレートする狀況の中でも中國の輸出が増加傾向を保ったのは、企業(yè)が多様な市場の開拓に努力したためであり、また中國の商品に強(qiáng)い競爭力があったためだ」との見方を示した。
稅関総署のデータでは、1-5月には中國と歐州連合(EU)、ASEAN、日本などの主要貿(mào)易パートナーとの輸出が軒並み緩やかに増加し、中でも対EU、対ASEANは伸び率が10%を超えた?!敢粠∫宦贰梗╰he Belt and Road)沿線國との貿(mào)易額も増加し、対米輸出減少の影響を軽減する上でプラスになった。
中國國際貿(mào)易促進(jìn)委員會研究院國際貿(mào)易研究部の趙萍部長は、「ここからわかるのは中國の対外貿(mào)易企業(yè)の市場の多様化が絶えず推進(jìn)され、リスク対抗力と強(qiáng)靱性が増強(qiáng)していることだ」と述べた。
外部が経済貿(mào)易摩擦の損害を被るのではないかと懸念する電気機(jī)械製品と労働集約型製品も輸出が引き続き増加した。1-5月には、電気機(jī)械製品の輸出額は同5.1%増加し、労働集約型製品の輸出額も同7.2%増加した。
上海証券の胡月暁チーフマクロアナリストは、「輸出の安定局面から、中國の商品の國際経済における地位は取って代わるのが難しいものであることがわかる」と述べた。
商務(wù)部(省)國際貿(mào)易経済協(xié)力研究院國際市場研究所の白明副所長は取材に答える中で、「『一帯一路』建設(shè)が緩やかに推進(jìn)され、新興市場の開拓、自由貿(mào)易協(xié)定の交渉、自由貿(mào)易港の探求が加速したことは、いずれも今後の中國の輸出の安定増加に力強(qiáng)い支えを提供することになる」と述べた。
▽意外なことに輸入が大幅に減少した
5月には、輸入額が同2.5%減少した。米ドルに換算すると、同8.5%の減少で、2016年7月以降で最大の減少幅になった。
輸入額の大幅減少には3つの要因があったと考えられる。
第1に、比較の対象となる基數(shù)の効果がある。前年同期の輸入額は同15.6%増加と大幅に増加し、基數(shù)の高さが今年5月の輸入額増加率の小幅低下につながった。
第2に、貿(mào)易摩擦の影響を受けて、一部の大口商品の輸入量が大幅に減少したことがある。稅関総署のデータでは、5月の原油や天然ガスなどの主要大口商品の輸入量は軒並み減少し、中でも大豆は736萬2千トンにとどまり、減少幅は24%にも達(dá)した。
第3に、マクロ経済になお下方圧力がかかっていることがある。交通銀行金融研究センターの唐建偉首席研究員は、「輸入減少幅が予想を上回ったことは、國內(nèi)の需要がまだ相対的に低迷し、経済になお下方圧力がかかっていることを物語る」と述べた
注目されるのは、中國政府がこのほど経済成長の安定に向けて一連の措置を打ち出したことだ。これにはネットワークの速度向上?料金値下げや企業(yè)のイノベーション能力向上への支援などが含まれる。アナリストは、「政策の効果が徐々に顕在化するのにともない、中國経済の持続的好転が期待できる」との見方を示した。
▽意外なことに対米貿(mào)易黒字が減少せず増加した
米國が中國からの輸入品2500億ドル(1ドルは約108.6円)相當(dāng)分に追加関稅をかけた現(xiàn)在の狀況の中、外部では中國の対米貿(mào)易黒字が減少するかどうかに関心が集まる。しかし稅関総署のまとめたデータでは、今年1-5月の対米貿(mào)易黒字は減少しないどころか、前年同期よりも11.9%拡大した。
これは中國の米國への輸出の減少幅が米國からの輸入の減少幅よりもはるかに小さかったためであることはすぐにわかる。1-5月の対米輸出額は同3.2%減少、対米輸入額は同25.7%減少だった。
中國商務(wù)部國際貿(mào)易経済協(xié)力研究院対外貿(mào)易研究所の梁明所長は、「中國が米國へ輸出する2千億ドル相當(dāng)の商品のうち、その対米輸出額が當(dāng)該商品の輸出額全體に占める割合が50%を超えるものは124品目にとどまる。これはつまり中國の輸出商品の大半は米國市場への依存度がそれほど高くなく、他の市場への切り替えが可能だということだ。その一方で、米國の中國からの輸入商品への依存度は相対的に高い」と述べた。
中國社會科學(xué)院世界経済?政治研究所の高凌雲(yún)研究員は、「多くの米國メーカーは中國産の原料や中間製品への依存度が高く、米國國民もコストパフォーマンスの高い中國産消費(fèi)財への依存度が高い。よって中國からの輸入商品に対する米國のニーズは、追加関稅があっても目に見えて減少することはない。追加関稅によって増大した負(fù)擔(dān)は、米國の企業(yè)と消費(fèi)者が引き受けるしかない」と述べた。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語版」2019年6月11日