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スマホゲーム成功の秘訣はローカライズ

中國の新たな文化的アーチファクトが海外で人気に(一)

人民網(wǎng)日本語版 2021年03月04日09:46

世界の國々は長年、特定の商品やシンボルを通じて文化的イメージをキープするよう取り組んできた。例えば、米國にはハリウッドやコカ?コーラ、ポップミュージック、英國には王室、ジェームズ?ボンド、イタリアには歌劇、ルネサンス時代の畫家、日本にはアニメ、韓國にはK-Popといった具合だ。海外では、中國文化というと、カンフーやパンダ、中國料理などが往々にして連想される。しかし、歐米諸國や日本、韓國などと比べると、中國文化の影響力はまだまだ伸びしろがあり、そのような狀況は近年、少しずつ改善されている。ドイツの外國向けラジオ放送「 Deutschlandfunk(DLF)」の定期刊行物は最近、「中國のオンラインゲームやショート動畫などの新たな文化的アーチファクトが世界的に人気になっている。おもしろく、政治性がないことがそれらの特徴だ」と伝えた。世界で人気となっているショート動畫共有アプリ「抖音(Tik Tok)」のほか、一部の國や地域で、中國企業(yè)の商品が大ヒットしている。また、インターネットという新しいキャリヤーを通して、中國の小説や映畫、ドラマなどが次々に海外進出を果たしている。

ドイツのベルリン工科大學でコンピューター?情報を専攻するルーカスさん(21)は取材に対して、「中國の大ヒットマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)である『王者栄躍』の海外向け版『Arena of Valor-(AOV)』は、普段よく遊ぶオンラインゲームの一つ。最近はファンタジーな世界が楽しめる『原神』にもはまっている。中國のゲームは今、グローバル化し、フレッシュなインスピレーションをたくさん與えてくれる」と話す。

米ワシントン大學でアニメを専門に學ぶジャスティンさんも、「『原神』が大好き」とし、「このゲームの畫像処理やBGMは、大作映畫に匹敵するレベル。これほどのレベルに達している同類のゲームは少ない」と話す。昨年下半期、「原神」は、米國で最も売れたスマホゲーム6種類の1つに入り、米國の多くのプレイヤーが「畫像がきれい」、「コンテンツが豊富」と高く評価している。同ゲームは細かなところまで追求されており、高コストでボリューム満點、ハイクオリティの傑作だと評価されている。

米國のデジタルコンテンツ配信サービス?Google Playでは、「AOV」と「原神」のダウンロード回數(shù)が1千萬回以上となっている。このように、スマホゲームは中國が歐米諸國の市場に進出する文化的アーチファクトの主力となっているのだ。テクノロジーメディア「Techcrunch」が発表している報告によると、2020年第4四半期(10‐12月)、米國の人気スマホゲームランキングトップ100に、中國のスマホゲーム21種類が入り、その売上高は7億8000萬ドルと、2年前と比べて3倍以上に激増している。統(tǒng)計によると、中國のスマホゲームが、米國のスマホゲーム市場の売上高に占める割合は20%となっている。

ゲーム研究開発の専門家によると、中國のスマホゲームが歐米市場開拓を急速に進めることができているのは、海外進出前に、海外のプレイヤーに合わせてアレンジが施されているからだ?!竿跽邧岩工蚶摔工毪?、中國の古典名著や神話の物語の登場するキャラクターがたくさん登場し、海外のプレイヤーにとってはあまり馴染みがない。そのため、海外向け版を製作するに當たり、西洋文化に登場するキャラクターを加え、ゲームの各シーンには西洋の要素も加えた。それらの対策により、「風土に馴染まない」という問題を解決することができると同時に、海外のプレイヤーはゲームに登場するキャラクターや物語の背景を理解するために、自ら進んで中國の歴史や伝統(tǒng)文化に接するようになっている?!冈瘛工蜷_発?運営するゲーム會社?米哈游(miHoYo)の劉偉総裁は「文化的味わいのあるシーン、ストーリー、音楽などが、このゲームに文化的深みを與え、美的価値も高めた。ゲームデザインの過程で、當社はその文化的屬性を意識的に増強した。例えば、中國國內の5A級(最高ランク)景勝地?張家界や桂林、黃竜などにインスピレーションを得て、江蘇省蘇州市にある歴史的な庭園、中國の伝統(tǒng)的な建築流派?徽派建築などの特徴と組み合わせ、ゲームのシーンをデザインした。また、ストーリーには、春節(jié)(舊正月)や元宵節(jié)(舊暦1月15日)などの中國伝統(tǒng)文化の要素を盛り込んだ」と説明する。

「ローカライズ」の成功例は少なくない。例えば、「火槍紀元(Guns of Glory: Asia)」は、中世ヨーロッパが舞臺。最近、北米で流行しているSF系スマホゲーム「第二銀河(Second Galaxy)」の英語版は、「中國版」と同じと説明されているものの、コマンドやジェスチャー、世界の構造は現(xiàn)地のプレイヤーの間で「馴染み深い」と評価されている。

前出の専門家は、「中國のスマホゲームは、海外の有名企業(yè)と提攜して作品を製作することにもチャレンジしている。例えば、世界で一世を風靡したマーベル?コミックのスーパーヒーローなどだ。網(wǎng)易遊戯も『ターミネーター2』と提攜し、包括的ライセンス許諾を得た」と説明する。

中國のスマホゲームが人気となっているのは歐米諸國だけではない?!窶obile Legends:BangBang(MLBB)」は、フィリピンやインドネシア、マレーシアなどの東南アジア諸國でも大人気となっている。フィリピンのマンスリーアクティブユーザーは1400萬人以上で、フィリピン人の10人に1人がこのゲームをしている計算になる。インドネシアでは、「MLBB」のダウンロード回數(shù)が1億回を超え、マンスリーアクティブユーザーは8000萬人以上、今や「國民的ゲーム」となっている。2019年、フィリピンで開催されたアジア競技大會で、「MLBB」はエレクトロニック?スポーツ(eスポーツ)の正式種目となった。

「MLBB」がこれほど大ヒットしているのは、ローカライズが成功しているからだ。開発元の上海沐瞳科技有限公司(Moonton Technology)は、キャラクターを作るために、インドネシアの有名な漫畫家を招き、同國の伝説に出てくるブラフマー神などを盛り込んだ。フィリピンでも、現(xiàn)地のプレイヤーにとって馴染み深い英雄ラプ=ラプが「MLBB」に出てくる。フィリピンの「Electronic Sports and Gaming Summit」の創(chuàng)始者は、「これにより、『MLBB』とフィリピン人の距離がぐっと縮まった」と語る。

上海沐瞳科技有限公司の袁菁?共同創(chuàng)始者兼最高経営責任者(CEO)は、「ゲームはアート作品の一種で、深く、遠くまで、そして長期に渡り、文化を発信する能力を備えている。これまでは、西洋のゲームが中國に進出し、中國の多くのプレイヤーが西洋の神話やファンタジーな文化に興味を持ち、それを理解するようになった。今後は、中國のゲームが同じように文化発信という使命を擔い、さらに多くの海外のプレイヤーが中國の優(yōu)秀な文化を深く理解するようになるだろう」との見方を示した。(編集KN)

「人民網(wǎng)日本語版」2021年3月4日

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