中國で小麥の収穫を手伝う出稼ぎ労働者は「麥客」と呼ばれている。毎年、小麥の収穫時(shí)期になると、陝西省や甘粛省、寧夏回族自治區(qū)などの農(nóng)民たちはわざわざ地元を離れて収穫場(chǎng)所へと赴き、小麥の収穫作業(yè)を手伝う。プロの「麥客」である阿地力·沙拉木さん(28)にとって、「麥客」は「儲(chǔ)かる」仕事だ。
焼けつくような日差しとなる夏半ばに、天山山脈の南に位置する新疆維吾爾(ウイグル)自治區(qū)庫車(クチャ)市斉満鎮(zhèn)の麥畑では、阿地力·沙拉木さんがスマホほどの大きさのリモコンを操作して、北斗衛(wèi)星測(cè)位システム搭載のコンバインハーベスターの作業(yè)コースを設(shè)定していた。設(shè)定さえすれば、その後は刈り取りの様子を見守るだけでいいという。
阿地力·沙拉木さんは、子供の頃は、小麥の収穫期になると、一家総出で刈り取っても、1日當(dāng)たり1ムー(6.667アール)ほどしか刈り取れず、1ヶ月以上かけて作業(yè)をしていたという。
「子供の頃、鎌で小麥を刈り取っている時(shí)、神話の世界のように、人の手を使わずに刈り取れるようになったらいいのにと思っていた。僕の父親は鎌を使う『麥客』で、夏はずっと家にいなかったから」と阿地力·沙拉木さん。
そして今、小麥の収穫は簡(jiǎn)単なことになり、「麥客」は過去のものになりつつある。そして、ハイテクを駆使する「新麥客」が雨後のタケノコのように次々登場(chǎng)している。
「新麥客」の阿地力·沙拉木さんは、バザールでかつての「商売道具」だった「鎌」を買うのではなく、麥畑で「スマホ」を操作しており、「北斗衛(wèi)星測(cè)位システムを通じて、収穫コースを正確に設(shè)定することができ、手間も時(shí)間も省ける」と話す。
麥畑では、北斗衛(wèi)星測(cè)位システム搭載のコンバインハーベスターが忙しそうに動(dòng)き回り、10分ほどで、1ムーの刈り取り、脫穀、選別などの作業(yè)を終わらせていた。
阿地力·沙拉木さんによると、ざっと見積もって、1ムー當(dāng)たりの作業(yè)料金は60元(1元は約17.1円)で、日給は2000元以上。年収は7萬元以上に達(dá)するという。コンバインハーベスター半臺(tái)分に當(dāng)たる金額で、「麥客というのはとても儲(chǔ)かる仕事」と話す。
新疆ウイグル自治區(qū)では現(xiàn)在、北斗衛(wèi)星測(cè)位システムが小麥の収穫や収穫後に殘っている切り株除去、鋤き返し、ドローンによる植物保護(hù)など多くの分野で幅広く応用されている。そして、農(nóng)業(yè)の生産の質(zhì)や効率は大幅に向上し、昨年、同自治區(qū)の小麥の収穫の機(jī)械化率は97.48%に達(dá)した。
機(jī)械を採用したため収穫がスピードアップしており、地域をまたいで作業(yè)をする阿地力·沙拉木さんが作業(yè)をしに出向いた地域の広さはすでに彼の父親を超えたという。阿地力·沙拉木さんは來年、天山山脈を超えて、さらに遠(yuǎn)くの、さらに大きな小麥畑へ出向く計(jì)畫という。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2021年7月1日