中國の科學者はこのほど、桃の実の有機酸の鍵遺伝子「PpTST1」を鑑定した。その鍵となる変異箇所は分子補助育種に使用でき、美味しい桃の遺伝資源の育成の基礎(chǔ)を固めることができる。これに関連する成果はこのほど、中國の科學技術(shù)誌「園蕓研究」(英語版)に掲載された。科技日報が伝えた。
論文の筆頭著者で、中國農(nóng)業(yè)科學院鄭州果樹研究所の博士課程在學中の王琪氏によると、研究チームは227件の桃の遺伝資源を材料に、ゲノムデータと有機酸含有量の関連性を分析した。また酸っぱくない桃と酸っぱい桃の遺伝資源を親株とする交配グループの遺伝子座決定を行い、鍵となる箇所を特定し、最後にトランスクリプトーム分析によりこの鍵遺伝子が得られた。
これまでの研究では、PpTST1が桃の実の糖蓄積の調(diào)節(jié)に加わることが分かっていた。王氏は、今回の研究により同遺伝子がさらに有機酸の蓄積に加わることが分かったと指摘した。
「PpTST1遺伝子変異で生まれる2つの型は異なる機能を持ち、酸っぱい桃と酸っぱくない桃を生み出す」。王氏によると、桃の実の有機酸蓄積の調(diào)節(jié)に関する同遺伝子の機能を検証するため、研究チームは桃の果肉とトマトにおける同遺伝子の過剰発現(xiàn)の分析を行った。その実験結(jié)果によると、過剰発現(xiàn)により生じる酸っぱくない桃の遺伝子型により、桃とトマトの実に含まれる有機酸が減り、糖の含有量が増える。また過剰発現(xiàn)により生じる酸っぱい桃の遺伝子型の相応する有機酸に大きな変化は見られなかった。
王氏は、「これは酸っぱくない桃の遺伝子型に、糖の蓄積を増やし有機酸の含有量を減らす二重の作用があることを物語っている。この鍵となる遺伝子変異箇所に基づき分子マーカーを設(shè)計し、分子補助育種を行うことで、桃の実の品質(zhì)を高めることができる」と述べた。(編集YF)
「人民網(wǎng)日本語版」2022年3月15日