昨年、雲(yún)南省西雙版納（シーサンパンナ）?傣（タイ）族自治州の生息地を離れて北上し、その後南下して生息地へと戻ったアジアゾウは今、熱帯雨林でのんびりと暮らしている。また、黒竜江省のアムールトラ?ヒョウ國家公園では、中國で捕獲からの野生復(fù)帰に初めて成功したアムールトラ「完達(dá)山1號」が元?dú)荬四氦椁筏皮?、少しずつ現(xiàn)地の狀況に適応している。青海省可可西里（フフシル）のチベット高原では、毎年5月頃になると、チルーが出産のために卓乃湖へと年に一度の大移動(dòng)を繰り広げる。人民日報(bào)が報(bào)じた。

美しい自然と生態(tài)系が戻り、希少動(dòng)物も増加

世界でも生物多様性が豊富な國の一つである中國には、7300種類以上の脊椎動(dòng)物が生息しているほか、すでに名前がつけられている昆蟲は13萬種類に達(dá)している。中國は近年、生息地保全や保護(hù)増殖といった措置を通して、野生動(dòng)物の保護(hù)を展開し、大きな成果を収めている。熱帯雨林からチベット高原に至るまで、そして東中國海の海辺から西南エリアの奧地に至るまで、確認(rèn)?観察される希少動(dòng)物がどんどん増えており、自然の美しさと生態(tài)の美しさが際立つようになっている。

まず、個(gè)體數(shù)が増加の一途をたどっている。

長江では「微笑みの天使」と呼ばれるスナメリが増えている。今年5月26日、あるボランティアが贛江の江西南昌區(qū)間の揚(yáng)子洲水域で、スナメリが出産する様子の撮影に成功した。江西野生動(dòng)物保護(hù)協(xié)會自然教育?ボランティア委員會の余會功主任は、「以前、ここにはスナメリが3頭しか生息していなかったが、今は約20頭になっている」と説明する。最近のモニタリング調(diào)査では、鄱陽湖のスナメリの個(gè)體數(shù)は700頭以上にまで回復(fù)していることが確認(rèn)されている。

また、野生動(dòng)物の分布範(fàn)囲もますます拡大している。

江西省鷹潭市では、約10年前にコウライアイサが初めて瀘渓河に姿を現(xiàn)した。その後、コウライアイサの生息地の範(fàn)囲は拡大の一途をたどっている。森林保護(hù)に攜わる肖冬様さんは、「一番多い時(shí)で140羽以上の撮影に成功した。世界の個(gè)體數(shù)の約10％を占める數(shù)だ。コウライアイサは環(huán)境が良い場所でないと生息できない。美しい自然を保護(hù)しなければ、この『珍客』をもてなすことはできない」と説明する。

そして、新種や中國で新たに確認(rèn)された生物種も増加している。

中國科學(xué)院生物多様性委員會が5月22日に発表した「中國生物種リスト」2022年版には、13萬8293種の生物種及び種以下の分類単位が収録され、その數(shù)がさらに増えた。同委員會の馬克平副主任は、「中國の生物種リストにリスト入りする生物種は急増しており、15年でほぼ3倍になった」と説明する。昨年、中國で新たに発表された脊椎動(dòng)物は95種類だった。うち、新種は80種類、中國で新たに確認(rèn)された種は15種類だった。新種は30省?區(qū)?市に分布しており、雲(yún)南省では32種類が確認(rèn)された。

中國の近年の生物多様性保全活動(dòng)は多くの成果を収めている。例えば、野生のジャイアントパンダの個(gè)體數(shù)は1970－80年代の1114頭から1864頭に増えた。アジアゾウの野外個(gè)體數(shù)は1985年の約180頭から約300頭に増えた。一時(shí)は絶滅したと見られていたトキは、1981年に7羽発見された。そして、今では野外個(gè)體數(shù)が6000羽以上にまで回復(fù)した。チルーの野外個(gè)體數(shù)は1990年代の7萬匹未満から、30萬匹以上にまで回復(fù)した。

自然保護(hù)地體系により國家重點(diǎn)保護(hù)野生動(dòng)物個(gè)體群の85％を保護(hù)

中國は近年、國家公園を主體とした自然保護(hù)地體系の構(gòu)築に力を注ぎ、「三江源國家公園」や「ジャイアントパンダ國家公園」などを設(shè)置してきた。そして、設(shè)置した各種自然保護(hù)地の數(shù)は約1萬ヶ所に達(dá)し、各種自然保護(hù)地の面積が陸域國土面積に占める割合は18％に達(dá)している。こうした體系によって植物の種類?陸域生態(tài)系の90％を効果的に保全し、國家重點(diǎn)保護(hù)野生動(dòng)物個(gè)體群の85％を保護(hù)している。

中國國家林草局野生動(dòng)植物保護(hù)司（局）の関係責(zé)任者によると、中國は現(xiàn)時(shí)點(diǎn)で、野生動(dòng)物救護(hù)センターや野生動(dòng)物ジーンバンクといった救護(hù)?繁殖機(jī)関を設(shè)置し、希少動(dòng)物や絶滅危懼種の動(dòng)物約400種類を繁殖させている。そして、パンダやトキ、コビトジャコウジカ、フランソワルトンといった動(dòng)物の野生復(fù)帰が成功し、野生環(huán)境では一度姿を消したモウコノウマ、シフゾウの野生個(gè)體群が再び見られるようになった。

人間が生存し、発展し続けるためには、健全な生態(tài)系が欠かせない。野生動(dòng)物は生態(tài)系において不可欠で重要な役割を果たしているだけでなく、非常に貴重な文化的価値と社會的価値を有している。例えば、干支になっている動(dòng)物や中國の國寶であるパンダには、獨(dú)特な文化的意味合いや象徴的な意味がある。醫(yī)學(xué)や自然科學(xué)といった分野を見ても、野生動(dòng)物は他が取って代わることのできない役割を果たしている。テクノロジーが進(jìn)歩するにつれて、野生動(dòng)物の潛在的価値はさらに際立つようになるだろう。野生動(dòng)物を保護(hù)することは、まさに人間を保護(hù)することにほかならない。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語版」2022年7月1日