ロシア?ウクライナ紛爭勃発後、西側諸國はロシアに対して、1萬件以上の経済制裁を課してきた。ロシア?ウクライナ紛爭や西側諸國の制裁、ロシアの対抗措置は、グローバル化や世界の貿易、エネルギー構造などにどんな影響を與えているのだろうか?中國新聞網が伝えた。
東方証券のチーフエコノミストである邵宇氏は、「西側諸國が、ロシアに対して外貨準備凍結という制裁を課して以降、ロシアはエネルギーを輸出して対応してきた。ロシアは、ロシア産の石油やガスといったエネルギーの代金を、ロシアの通貨ルーブルでしか受け取らず、他の通貨は受け取らないという措置を取っているため、その需要が高まり、ルーブル高が続いている」と分析する。
そして、「少なくとも今の段階では、ルーブル高は、ロシアが歐米諸國に対抗する有効手段となっており、特に米國の金融制裁に対して一定の効果を見せている。つまり、ロシアは、必要不可欠な石油のニーズを活用して、自國通貨の主権を守っているのだ。ロシアの世界のサプライチェーンにおける重要な役割を見ると、現(xiàn)在のところ、恐らくそれに取って代わる國はないだろうということがわかる」との見方を示す。
世界を見ると、ルーブル建てで計算しても、ドル建てで計算しても、エネルギーの価格は現(xiàn)在、高止まりしている。サプライチェーンは現(xiàn)在、非常に混亂しており、そのような狀態(tài)は今後しばらくの間続くと見られている。地政學的紛爭による石油価格の高止まりにより、世界は大きな「スタグフレーションの落とし穴」にはまってしまい、世界のエネルギーのモデル転換に大打撃をもたらす可能性がある。
邵氏は、「エネルギーのモデル転換というのは、従來のエネルギーの価格を高い狀態(tài)に留めておけば、新エネルギーに自然に移行するというのがロジックの一つとなっている。このようなモデル転換は、化石エネルギーや従來のエネルギーの需要を含めた世界の構造に、中?長期的な変化、ひいては革命的な変化をもたらす可能性がある」と分析している。
地政學的紛爭にしても、一部の國の間の競爭にしても、すでにグローバル化構造の斷裂をもたらしている。世界の地政學的競爭は今後、さらに熾烈になり、異なる國による同盟が競爭集団を形成する過程は、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の低迷狀態(tài)にやや似ている。
邵氏は、「このような狀態(tài)が10年、さらにはもっと長く続くかもしれない。そのため、資源型國家へのモデル転換や生産型國家の能力増強にしても、消費型國家の通貨亂発抑制にしても、新たな提攜分野を見つけ、新たなバランスポイントに達する必要がある。しかし、そのようなバランスの達成は難しい」との見方を示した。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年7月12日