篆刻とは、書道(主に篆書)と彫刻(ノミ彫刻や鋳造を含む)を結び付け、印章(判子)を制作する蕓術で、漢字特有の蕓術スタイルとして、すでに3700年以上の歴史を誇る。中國の篆刻は2009年、ユネスコによる「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表(無形文化遺産リスト)」に登録された。中央テレビ網が伝えた。
蘇東河氏は、北京に住む篆刻無形文化遺産の伝承者。篆刻文化のイノベーションと普及に力を入れてきた蘇氏は、篆刻と時代を結び付け、現代の美意識にマッチした篆刻作品の創(chuàng)作に取り組んでいる。
篆刻による判子の制作にはまずしっかりした熟考が必要となる。アイデアが浮かんだからといって、すぐに制作に取り掛かれるわけではなく、まず最初に、頭の中でデザインを考える必要がある。判子の枠は通常、定規(guī)を使って、直線を描かなければならないが、蘇氏は定規(guī)を必要としない。なぜなら、自らの手が「生きた定規(guī)」のようになるまで長年にわたって修行を積み重ねてきたからだ。
篆刻の彫りを一通り終えた判子は、「鈐印」と呼ばれる試し押しの作業(yè)を行う。この作業(yè)で、判子の文字が當初考えていた通りの出來になっているかを確認し、もし不備な點があれば、それを修正する「補刀」の作業(yè)を行う必要があるからだ。そして最初の彫りを殘しつつ、當初のデザインと一致していない箇所に修正を加え、最終的に完全なデザインの判子を作り上げていく。
蘇氏が制作した篆刻作品の多くはここ數年、國內外の複數の博物館や記念館に収蔵されるようになっている。また、蘇氏にとって第三世代となる若い後継者たちも、蘇氏の指導のもと、修行とイノベーションを始めている。(編集KM)
「人民網日本語版」2023年2月21日