スマートフォンやフロントカメラの普及に伴い、「自撮り」が世界中で大流行した。だが、自撮りの流行によって多くの危険ももたらされている。研究によると、自撮りが原因で起こる死亡事故が、毎年世界中で急増しているという。
ポルトガル人女性がこのほど、パナマの首都パナマの高層住宅のベランダで自撮りをしていて、不幸にも命を失うという代償を払うことになった。目撃者が撮影した動畫によると、その女性はベランダの手すりに座り、自撮りしていた時に、突然身體のバランスを失い、27階から転落した。救急隊員が駆け付けた時には、その女性はすでに死亡しており、その手には自撮り棒が握られていた。女性の名前はサンドラさん(27)で、2児の母だった。
転落事故が起きた時、近くの高層ビルで作業(yè)をしていた建設(shè)作業(yè)員は、「事故當(dāng)時、僕たちは彼女に大聲で危ないと注意した。だが、強風(fēng)が吹いていて、こちらの聲は彼女に屆かなかったようだ」と話した。地元警察は今も調(diào)査を進めており、この事故は強風(fēng)によって彼女がバランスを崩したという見方をしている。
実際、自撮りが原因の死亡事故は、各國で起きている。あるカナダ人は、バヌアツにある活火山の噴火口近くで事故を起こしており、17歳のロシア人女性ジーニアさんは、鉄塔に登って自撮りしようとしたとき、突然バランスを失い転落して感電死した。今年5月には、インドの大型商業(yè)施設(shè)で、若い夫婦が自撮りに夢中になっていたため、生後10ヵ月の娘が不幸にも命を落とした。またインド?ハイデラバード市の郊外では、ある若者が自撮りに熱中するあまり危険を顧みず、スマホを掲げて列車と自分が至近距離ですれ違う様子を撮ろうとしたところ、警笛を鳴らして近づく電車にそのままはねられてしまった。
自撮りによって引き起こされる悲劇は、後を絶たない。全インド醫(yī)科學(xué)研究所がこのほど発表した統(tǒng)計データによると、2011年10月から2017年11月までの間に、自撮りが原因で死亡した人は世界で259人にのぼり、このうちインドで起きた事故は全體の60%を占め、世界首位という不名譽な結(jié)果となっている。
これまでの研究によると、人間というものは、鏡に寫る自分と非現(xiàn)実の世界を組み合せた寫真を好む傾向にある。インドの心理學(xué)専門家クマール氏は、「自撮りは、実は、ミラーリング(模倣)の延長である。人々が自撮りのことを大好きな理由はここにある。極めて高い所まで登って自撮りをする人や、命の危険を冒してまで自撮りをする人の目的は、世界の人々に、『自分は誰もが行ったことのない、あるいはごく少數(shù)の人しか行ったことがないゾーンに足を踏み入れている』ことを証明することにある。自撮りにのめり込んでいる人はみな、自分自身に対する肯定感を追求している。肯定感の追求は、『欠乏感』に源を発している。他者からの賞賛を得ることを通じて、自分自身を認(rèn)めたいと思っているのだ」と分析している。
心療內(nèi)科のラム醫(yī)師も、「自撮りが好きな人は、大膽かつ普通の人とは違ったやり方で自分の成果を自慢したいと思っている。また、ナルシシズムも、一部の人が自撮りに熱中する一因となっている。だが、ナルシシズムは、人々を向こう見ずで冒険的な行為に駆り立てる性質(zhì)を備えてはいない。ただ、自己価値感が不足しているゆえに自分を肯定する必要がある人は、危険な自撮り行為に走る可能性がある」と指摘した。(編集KM)
「人民網(wǎng)日本語版」2018年10月23日
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