四川省にある「斷崖村」で12月23日、某色蘇不惹さん（27）は、村の5人の若者とともに、朝早くから仕事を始めていた。彼らは、家屋用PVC樹(shù)脂製瓦をロープで固定するために、スチール製梯子を使い「斷崖村」に運(yùn)んでいた。これらの材料は、民宿の瓦として使われる。新華網(wǎng)が報(bào)じた。

「斷崖村」とは、四川省涼山彝（イ）族自治州昭覚県支爾莫郷阿土列爾村の別稱(chēng)で、標(biāo)高1600メートルの山あいの窪地にある。2016年末、スチール製梯子が設(shè)置されたため、「斷崖村」から外出する環(huán)境はかなり改善され、村に次第に変化が生じた。そしてインターネットの開(kāi)通によって、村の若者たちはライブ配信を始めた。2017年、某色蘇不惹さんは、「斷崖村」の女性がスチール製梯子をよじ登る様子を撮影した動(dòng)畫(huà)をネット上に投稿、たちまち人気の的となった。そして彼自身も次第に「斷崖村」を代表する「ネット有名人」となっていった。

今年5月、阿土列爾村の全84世帯となる貧困世帯344人が、次々と、昭覚県にある貧困者のための集中的な移転先となる県政府所在地の新居に転居した。スチール製梯子を下り、階段を上るといったこれら貧困世帯をめぐる居住環(huán)境に歴史的な変化が生じた。村民の某色拉機(jī)さんは、年末に約10萬(wàn)元（1元は約15.8円）でSUVを購(gòu)入し、「斷崖村」で初めて自家用車(chē)を手に入れた村民となった。

交通アクセスが便利な県政府所在地に居を構(gòu)えたことで、子供たちの通學(xué)も便利になった。だが、某色蘇不惹さんは、「斷崖村」への未練を斷ち切ることはできなかった。3年前、中沢オリーブオイル公司は、オリーブの苗木を「斷崖村」に無(wú)償で提供し、村の土地すべてに植えた。某色蘇不惹さんは、これらのオリーブの枝打ちや雑草除去、害蟲(chóng)駆除などの日常的なメンテナンス業(yè)務(wù)を引き受け、その給與は1ヶ月2千元以上となっている。今年、オリーブが初めて実をつけ、生産量は約850キログラムに達(dá)した。今年4月、某色蘇不惹さんは、70頭あまりの子羊を買(mǎi)って山で飼い始め、12月初めにその70數(shù)頭を出荷し、全て深センのある企業(yè)が買(mǎi)い取ったという。

「斷崖村」の村民は山から下りて転居したが、観光客は途絶えることなく山を訪れている。某色蘇不惹さんと村の5人の若者は、このようなチャンスを捉え、今年11月、共同で民宿を建設(shè)することにした。

今年は、某色蘇不惹さんにとって、安定収入が得られた1年であったほか、家庭を再び築くというより大きな喜び得た。2018年12月、彼の先妻は、3人の子供を殘して病死した。2019年後半、隣県である雷波県に住む女性?楊菲さんとネット上で知り合い戀に落ちた彼は、今年1月にめでたく再婚した。両親がそろった家庭となり、子供たちには新しいお母さんがやってきて、某色蘇不惹さんは、これまで以上に熱心に羊の畜産とオリーブ栽培に取り組んだ。

「もともと土の家だった住まいを、冬は暖かく夏は涼しく整え、きれいに掃除して、民宿にした。『斷崖村』に多くの若者が戻ってくると信じている」と某色蘇不惹さんは、遠(yuǎn)くの山を眺めながら話した。（編集KM）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2020年12月31日