シェア自転車のタイヤがチョモランマの麓でバスケットコートに「変身」

人民網(wǎng)日本語版　2021年11月01日16:10

2017年、シェア自転車をこいでチョモランマのベースキャンプまで行った人がいるというのが話題になった。それから4年経った最近、シェア自転車とエベレストの縁が再びつながった。人民網(wǎng)が報(bào)じた。

都市部で走行距離が1萬キロ以上になり廃棄されることになったシェア自転車のタイヤ約2000本がリサイクルされ、環(huán)境にやさしい舗裝材となってバスケットボールコートに利用され、新しい使命を負(fù)うようになっている。

公益環(huán)境保護(hù)プロジェクト「シェア自転車がバスケットコートに変身」の一環(huán)として、チョモランマの麓にある標(biāo)高が4300メートル以上ある定日（ティンリ）県中心小學(xué)校に設(shè)置されたバスケットコートは、同プロジェクトで中國(guó)全土に設(shè)置された18番目のバスケットコートとなる。

上空から見た「シェア自転車」が描かれたティンリ県中心小學(xué)校のバスケットコート。

チョモランマの麓にある小學(xué)校

西蔵（チベット）自治區(qū)日喀則（シガツェ）市の南西部に位置するティンリ県は平均標(biāo)高が5000メートルで、県政府所在地の協(xié)格爾（シェーカル）鎮(zhèn)の標(biāo)高は4300メートル以上だ。拉薩(ラサ)市からは約500キロ離れており、車で8時(shí)間以上かかる。

朝日を浴びて金色に輝くチョモランマの絶景。

標(biāo)高の高い地域では、低酸素だけでなく、強(qiáng)い紫外線や乾燥した空気も試練となる。ティンリ県の太陽放射量は北京の約2倍だ。つまり、夕方でも肌が痛くなるほど日差しが強(qiáng)いということになる。

県政府所在地のシェーカル鎮(zhèn)は、小さな盆地で山に囲まれ、青空が広がり、低い位置に雲(yún)がわいている。最も賑やかな場(chǎng)所には、2階建ての店が並び、車で10分もあれば鎮(zhèn)全體を1周できる。

ティンリ県熱拉木村の田畑を歩く女性2人。

ティンリ県中心小學(xué)校の巴頓?副校長(zhǎng)によると、同校には生徒749人が就學(xué)しており、シェーカル鎮(zhèn)內(nèi)にある自宅から通う學(xué)生が6割。周辺の村に自宅がある學(xué)生は寮に住み、毎週金曜日になると、保護(hù)者が車や電動(dòng)自転車で迎えに來るという。

ティンリ県熱拉木村の近くで羊を放牧する牧畜民。

2018年、中國(guó)政府の各種政策的サポートを受け、新しく建設(shè)された小學(xué)校に移転した。同校には校舎や教師?學(xué)生の寮、食堂、洗濯室、バスケットコート、人工芝のサッカーコートなどが完備されている。

學(xué)生たちは授業(yè)で、デジタル化デバイスを利用してオンラインで最新の學(xué)習(xí)用教材を?qū)Wぶことができる。ただ、子供たちはもっといいバスケットコートが欲しいとずっと望んでいた。

ティンリ県中心小學(xué)校の運(yùn)動(dòng)場(chǎng)で體育の授業(yè)を受ける學(xué)生たち。

シェア自転車のタイヤをリサイクルした材料で新しいバスケットコートを作る計(jì)畫について聞いた子供たちは、目を丸くして驚き、次々に質(zhì)問し始めたという。最も多かったのは、「タイヤで作るなら、黒いバスケットコートになるということ？黒は見た目が良くないと思う」という質(zhì)問だったという。

シェア自転車がチョモランマの麓で新たな使命

シェア自転車の登場(chǎng)により、駅やバス停から自宅までなどの「最後の1キロ」を便利に移動(dòng)することができるようになったものの、自転車を廃棄する際の環(huán)境問題、特に廃棄タイヤの処理の仕方にも注目が集まるようになった。

シェア自転車を展開する美団の交通業(yè)務(wù)の持続可能な発展を擔(dān)當(dāng)するシニア専門家の秦浩氏と同僚たちは、視察や検討を重ねて、「タイヤの材料であるポリウレタンには揮発性物質(zhì)が一切含まれておらず、それを粉々にして舗裝材とし、環(huán)境にもやさしい高品質(zhì)の接著剤を使ってバスケットコートにすると、弾力性がちょうどよく、丈夫で長(zhǎng)く使用することができ、子供たちのためにより安全で、快適なスポーツをする環(huán)境を提供できる」ということを思いついた。

「シェア自転車がバスケットコートに変身」プロジェクトの一環(huán)であるこのバスケットコートは、同プロジェクトにおける全國(guó)に設(shè)置された18番目のバスケットコートとなる。これまで貴州省普安県や江西省井岡山市、青海省大通県、四川省小金県、福建省仙遊県、湖北省紅安県などの山地にある學(xué)校に設(shè)置された。リサイクルされたタイヤは4萬本以上で、舗裝面積は合わせて1萬平方メートルに達(dá)する。

ただ、チョモランマの麓にこのバスケットコートを作るというのは、至難の業(yè)だった。

まず、原料を広東省の工場(chǎng)から4000キロ以上離れたティンリ県に運(yùn)ばなければならない。それは中國(guó)を半分橫斷するほどの距離で、他の地域と比べると輸送費(fèi)も時(shí)間もかなりかかることになった。

環(huán)境にやさしいバスケットコートを作る作業(yè)員。

次に、作業(yè)員を探すのも難しい。まず見つかった作業(yè)員は、現(xiàn)場(chǎng)がチョモランマの麓と聞いて、しり込みしてしまったという。そのため、プロジェクトチームは現(xiàn)地の作業(yè)員を探さなければならなかった。また、作業(yè)期間中、雨や雪に見舞われ、5日ほどで完成するはずのところが、10日ほどかかることこなったという。

作業(yè)中、授業(yè)が終わったり、下校の時(shí)間になったりすると、子供たちが集まってきては、舗裝されたコートを觸って「すごい、弾力性がある」と喜んでいたという。