その後、オンラインショップの「淘寶」ではこれが120元（約2000円）で売られていることを知った。一部の日本から直接郵送する代理購(gòu)入の店ではこの値段の他にさらに95元の郵送費(fèi)が加算されていた。それでも購(gòu)入を希望する人は少なくなく、しかも商品を受け取って、使用した後で高く評(píng)価している。しかも同じようなネットショップでは少なくとも十?dāng)?shù)種類の道具が入った中國(guó)製の爪切り「セット」がたった20元ちょっと（約340円）で売られているのだ。

爪切りというほとんどもう何ら技術(shù)的要素を含むわけでもなく、ハイテクとは一切関係無く、高級(jí)ブランドや高い付加価値ともほとんど関係の無いような小さな日用品が、どうしてこれほど多くの中國(guó)國(guó)內(nèi)の消費(fèi)者に何倍、何十倍もの価格でも買いたいと思わせることができるのだろうか？

數(shù)倍の価格差があっても、消費(fèi)者が日本の爪切りを選択するには、衝動(dòng)買いという要因や偶然性もあるかもしれない。しかしこのような価格差が長(zhǎng)期的に存在し続けることができるのは、利用者の自己體験や製品の性能にも必ずや原因があるだろう。

あるネットユーザーはデジタル製品への感想を書くのと同じように、文章に寫真まで添えて、この爪切りの「利用した感想」を投稿している。ある人は日本から爪切りを1つ持ち帰ったが、毎回日本に行くたびに友達(dá)に買ってきてほしいと頼まれるとコメント。もし製品の性能や利用者の體験が異なっていたとしたら、このような狀況は起こりにくいに違いない。

この爪切りにどんな先進(jìn)的な金屬材料や生産技術(shù)が使われているのかを判斷することはできない。しかし確かなのは、爪切りという、このいたって平凡な製品分野でこのように非凡な製品を作り出し、異國(guó)の消費(fèi)者が倍の価格を出してまで買いたいと思わせるのは、すばらしい匠の精神という支えが無ければ考えられないということだ。

資料によれば、この爪切りを販売するのはすでに100年の歴史をもつ企業(yè)だという。長(zhǎng)い歴史の中で十?dāng)?shù)グラムの合金素材に何代もの職人たちが新しい金屬材料、鋳造技術(shù)、科學(xué)構(gòu)造という手を加え、新しい生命を注ぎ続け、その品質(zhì)と名聲を今日まで継承し続けており、最終的に製品の価格レベルという経済的利益に転化させている。これはマーケットが匠の精神に與える最大のフィードバックと言えるだろう。

仏山でも匠の精神に則って、細(xì)分された業(yè)界でトップとなり、海外市場(chǎng)においても人気を得ている例を多く知っている。機(jī)械設(shè)備や水道管、タイルなどの製品には多くの先進(jìn)的な技術(shù)が用いられており、いずれも匠の精神とは切り離せない。しかしこのような都市に住んでいるからこそ、この爪切りから多くのことを考えざるを得ない。