「かわいい」の対象はもともと、小さくて、おとなしいものだ。清少納言の隨筆「枕草子」に、「なにもなにも ちひさきものはみなうつくし」という言葉がある。小さいものに対する美意識は、中國にも古代からあり、かわいいものには「小」を頭に付けて呼ぶ。日本のかわいい文化が世界にも進出しているのは、どこの國の人にも小さいものをかわいがる気持ちがあるからだろう。
比較文學(xué)者、映畫史家の四方田犬彥には、「かわいい」論があり、「かわいい文化は現(xiàn)代サブカルチャーに限定されたものではい?!氦铯いぁ护卧戳鳏?1世紀の『枕草子』にあり、江戸期の歌舞伎や大衆(zhòng)小説を経て、太宰治ら現(xiàn)代の作家にも受け継がれ、獨自の美學(xué)へと洗練されてきた。そして、20世紀後半の消費社會において、一大産業(yè)と発展した。しかし、その根底を成している美學(xué)は近代文學(xué)においてはっきりとした痕跡を殘している」と指摘している。美意識の源流は文學(xué)の中に見ることができるが、かわいい文化は結(jié)局サブカルチャーだ。
実際には、現(xiàn)代のかわいいものを好む文化は、少女漫畫が原因かもしれない。中國でも大流行している日本の漫畫のキャラクターは、基本的に小さな顔、大きな目、長い足が特徴で、日本人の特徴とは全く異なる。これは、近代、日本人が西洋の映畫や人形を見て、あこがれ、そのイメージを描き出しものだ。日本の浮世絵にも美人畫があり、そこに描かれている女性も日本人の特徴とは異なる。改良が得意な日本人が西洋を模倣する過程で、西洋の美人を「改良」し、かわいくしたのが少女漫畫のキャラクターだ。そして、20世紀末以降にちょうど、世界では大衆(zhòng)文化が流行し、偉大なスターよりも庶民的なアイドルが人気になり、西洋の美女を庶民的なイメージに変え、高貴な淑女をかわいい少女へと変えるのは本當にタイムリーだった。そして、漫畫のかわいいキャラクターが少しずつ若い女性のメイクや服裝に影響を與えていった。少女漫畫が一世を風(fēng)靡し、いつのまにか「かわいい」が日本文化の代名詞となっていた。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2017年2月20日
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