最近、中國の環(huán)太平洋戦略的経済連攜協(xié)定(TPP)への參加を話題とする人々が少なくない。今月14日と15日、TPP署名國や中國と韓國の代表らによる2日間の「ハイレベル対話」がチリのビニャデルマルで行われた。中國は中南米事務(wù)特別代表の殷恒民大使が率いる訪問団を同會議に派遣しており、チリのほか、ほとんどの參加國がTPPメンバー國であるため、中國の參加はTPP參加の意向を示すシグナルではないかと見られている。北京日報が報じた。
中國の參加が大いに歓迎されたのは、米國が離脫し、リーダー格を失ったTPPメンバーの強い焦りを反映している。しかし、中國が招きに応じて同會議に參加したことと、中國がTPPに參加することは、全くの別問題だ。TPPの協(xié)定は既に発行しており、それをそのまま受け入れるのか、それともその內(nèi)容を協(xié)議し直し、中國を考慮に入れた協(xié)定を作成するのかなどのハードルを考えると、どのような方法を選択する場合でも、短期的に中國がTPPに參加することは現(xiàn)実的ではない。今回中國を招いたのはTPPメンバー國の便宜上の措置と言えるだろう。中國の立場から考えても、今回の會議に參加することで益はあっても害はない。少なくとも、情報の交換や理解が可能で、自由で平等な貿(mào)易を推進し、開放型経済を建設(shè)し、地域経済の一體化を促進する面で協(xié)力するという中國の姿勢を行動で世界に示すことができる。
「中國に狙いを定めていた銃を、中國に奪われた」といったこのような逆転劇は、世界経済における勢力図の変化をうまく例えているのではないだろうか?現(xiàn)在、中國は世界2位のエコノミーとなっており、空高くそびえ、大きく涼し気な木陰を作り出す大樹となっている。実踐において、中國は終始、協(xié)力、ウィンウィンの姿勢で國際ガバナンスに參加しており、オープンで寛容な姿勢で他の國を迎えている。そして、経済のグローバル化、地域の一體化の提唱者、參加者、推進者となっていると言える。一方、今の米國は、アンチグローバル化の代名詞となっており、保護貿(mào)易主義路線を歩み、これまでになく孤立した主義を取るようになっている。この點から見て、一部の國が中國を新たな希望と見なしているのは、中國に発展の実力とポテンシャルがあるからだけではなく、中國が自分の力で発展を遂げると同時に、世界と協(xié)力しウィンウィンの平和な発展の道を追求しており、他の國と共に物事を行い、共に発展し、共に繁栄しようという堅い信念を抱いているからだ。
実際のところ、中國のTPP參加にはリスクが伴い、そのリーダーになることには慎重な姿勢を示さなければならない。中國には自身の責任があり、自國にどれほどの忍耐力があるのか、どのように発展しなければならないのかなどについて、はっきりと熟知しており、他の國のおだてに乗って気をよくし、軽率に行動することはないだろう。TPPについて米國は「役に立たない」と判斷して捨てたのであり、それは罠となる可能性があり、米國の盟友らが參加するよう熱烈に中國を誘うということは、何かたくらみがあるという強い疑いをぬぐいきれない。オバマ前大統(tǒng)領(lǐng)政権の「アジア太平洋回帰」政策の重要な部分を擔っていたTPPには、保護主義の血と覇権主義の遺伝子が詰まっており、多くの規(guī)則は、中國を考慮に入れて制定されている。中國の參加を促す聲には、期待や稱賛はほとんど含まれておらず、むしろ多くのたくらみが含まれている。中國の力を重視し、信頼し、借りたい一方で、たくらみが潛んでいるのではないかという複雑な空気が、依然として一部の國、特に米國の盟友には蔓延している。中國は、高度な戦略を定めなければ、これほど複雑で微妙な局面にうまく対応することはできないだろう。
「好むと好まざると、我々はグローバルエコノミーという誰も逃れることのできない大海の中にいる」と言われているように、予測できないほど激しく移り変わる情勢であるものの、引き続き経済のグローバル化を指示する側(cè)に立ち続けるという中國の立場に変わりはない。これこそが、中國が今回、TPPの各メンバー國に伝えたシグナルなのかもしれない。結(jié)論を言うなら、逆巻く大波となり、暗礁の潛む世界経済を前に、中國はその知恵を世界と積極的に共有し、中國の提案を提供するなど、自分にできることを著実にこなすことこそが、世界に対する最大の貢獻であると考えている。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2017年3月16日
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