ナマズ、蝶、カエル、黒い白鳥……。これらの動物は誰でも知っているものの、経済ニュースの中でそれらの名前が出てくると、表している意味が全くわからないという人も多い。しかし、これらの動物と関係のある一説の意味するところは、経験したことがある人も多く、あれこれと口で説明するよりも、もっと分かりすく、物事の根本にあるものを説明してくれている。
ナマズ効果
以前は、サーディン(イワシの一種)を活きたまま水揚(yáng)げするのは容易でなかったものの、サーディンの中にナマズを1匹入れると、活きたまま水揚(yáng)げできる確率が大幅に向上することが発見された。これはどうしてなのだろう?実は、ナマズは、慣れない環(huán)境に入れられると、緊張のあまりあちらこちらを泳ぎ回り、おとなしいサーディンの群れを活性化させることができるのだ。サーディンは、見たこともないナマズの「異質(zhì)な姿」に、緊張して泳ぎ続ける。このようにして、サーディンの酸素不足という問題が解決され、サーディンを活かしておくことができるのだ。
この刺激的な方法で狀況が活性化する現(xiàn)象が「ナマズ効果」と呼ばれている。ナマズ効果は経済學(xué)の中では、何かの手段を講じて、企業(yè)を活性化させ、市場における競爭に積極的に參加し、市場の同業(yè)者をも活性化させることを指す。管理者は企業(yè)マネジメントにおいて、目標(biāo)達(dá)成のために「ナマズ型人材」を抜擢し、低迷している自社の狀況を好転させようとする。
バタフライ効果
「南米アマゾン下流地域の熱帯雨林で、1匹の蝶が羽ばたくと、2週間後に米テキサスで竜巻を引き起こす」。著名な気象學(xué)者のエドワード?ローレンツはそのような可能性を指摘した。力學(xué)系の狀態(tài)にわずかな変化を與えると、系統(tǒng)全體に長期的、かつ巨大な連鎖反応をもたらすという現(xiàn)象だ。
「バタフライ効果」は気象學(xué)者が指摘したものであるものの、例えば、日本のマイナス金利実施や米國の利上げ実施が世界の金融市場にもたらす一連の影響など、経済學(xué)にも適用されるようになった。
茹でガエル現(xiàn)象
「茹でガエル現(xiàn)象」は、19世紀(jì)末に米コーネル大學(xué)で行われた「カエルの実験」に端を発する。同実験では、カエルを熱湯に入れると、直ちに飛び跳ねたのに対して、冷水に入れて自由に泳がせ、それを緩やかに昇溫させると、溫度の変化には気づくものの、面倒くさがってすぐには飛び出さず、最終的に耐えられないほどの熱さになった時には、既に逃げる力がなくなっていたとされる。
「茹でガエル現(xiàn)象」は企業(yè)マネジメントや社會マネジメントなどに広く応用されるようになった。そして、経済の分野でも適用されるようになり、経済指標(biāo)や現(xiàn)象に、無頓著で、警戒を怠ると、長期的には深刻な結(jié)果を招くことを指すようになった。
ハーディング現(xiàn)象(羊の群れ現(xiàn)象)
羊の群れ(群衆(zhòng))は、雑然としたグループで、普段は他の羊となんとなく一緒に過ごしている。ある羊が肥沃な緑地を見つけ、おいしい草を食べていると、他の羊たちも群れを成してやって來て、そこの草を競い合って食べ始める。そして、命を虎視眈々と狙うオオカミに気付かず、他にもっと良い緑地があってもそれに目をやることもない。
また、ある羊飼いが自分の羊の群れの前に棒を橫向きに置いたときのエピソードも有名だ。一匹目の羊が率先してジャンプしてその棒を超えると、2匹目、3匹目もそれを真似してジャンプして飛び越えていった。さらに、羊飼いがその棒を取り去っても、後ろの羊たちは既に棒がないにもかかわらず、同じ場所をジャンプして通過していったという。
この現(xiàn)象は「ハーディング現(xiàn)象」や「群衆(zhòng)行動」と呼ばれている。経済學(xué)において、ハーディング現(xiàn)象とは、長期的計(jì)畫を立てず、情報収集もしていない投資家が、他の投資家の行動に基づいて自分の行動を決定することを指す。それに気づいているかいないかにかかわらず、群衆(zhòng)の見方は、優(yōu)柔不斷な人の行動に大きく影響を與える。群衆(zhòng)の力は、人に理性的に物事を判斷させる能力を喪失させる。
ワニの法則
ワニに足を噛まれて、手を使ってワニの口をこじ開けようとすると、ワニに足だけでなく手も噛まれてしまう。そして、暴れれば暴れるほど、ワニの牙が體に食い込んでいく。そのため、ワニに足を噛まれてしまった時に助かるための唯一の方法は、その足を切斷することだ?!富⑴瓫Q蹯」(罠に捕まってしまったトラが猟師の接近を前に自分の足を噛み切って逃げる)という中國の四字熟語に似ている。
これは、経済學(xué)において、取引のスキルの一つで、損失をどこかで止める必要があるということだ。例えば、株式市場において、自分のトレードが市場の流れから外れてしまった時には、決して後伸ばしにしたり、また流れが変わることを期待したりしてはならず、即刻、損失を止めるための手段を講じなければならない。
クモの巣理論
クモの巣理論とは、一つの商品の価格と生産量は互いに影響し合い、規(guī)則正しく循環(huán)?変動するという理論だ。農(nóng)産品を例にすると、不作の年に価格が高騰すると、翌年はたくさんの農(nóng)家が不作だった作物の種や苗を植えるようになるため、その年は供給過多になり、農(nóng)家は損失を出すことになる。しかし、3年目は、多くの農(nóng)家が今後はその作物の栽培をやめるため、再び値段が高騰する。その結(jié)果、農(nóng)産品はクモの巣のように、常に高騰と暴落を繰り返すことになる。
ブラック?スワン理論
1697年にオーストラリアで黒い白鳥(ブラック?スワン)が発見される前、ヨーロッパでは、白鳥は白い鳥だけと思われていた。しかし、黒い白鳥が発見され、その絶対的な信念が崩れ去った。
黒い白鳥の存在は、「ありえなくて起こりえない」と思われていたことはいったん急に起きる場合、非常に強(qiáng)い衝撃を市場に與えるということを教えてくれる。人はいつでも自分の経験を信頼する傾向があり、黒い白鳥が一羽発見されるだけで、全てのことが覆されるということを認(rèn)識していないものだ。米國のリーマンショックや東南アジアの津波、タイタニック號の沈沒、アメリカ同時多発テロ、さらに、スイスの中央銀行?スイス國立銀行が対ユーロ市場の介入停止を発表し、スイスフランが高騰したスイスフランショックなど、「黒い白鳥」は金融市場や商業(yè)、経済、個人の生活などのいかなる分野にも存在し、誰も逃れることはできない。
ユニコーン企業(yè)
ユニコーンは、額に一本の角が生えた伝説の生き物?!弗妤衰畅`ン企業(yè)」とは、急成長し、ユニコーンのように稀な存在で、投資家から注目されている企業(yè)としての評価額が10億ドル(約1110億円)以上のスタートアップ企業(yè)を指す。「ユニコーン企業(yè)」という言葉は、ベンチャーキャピタルの一つである、米カウボーイ?ベンチャーズの創(chuàng)業(yè)者Aileen Lee氏が2013年に使い始めたといわれている。その後、この言葉はシリコンバレーで一気に流行し、ビジネス誌「フォーチュン」の表紙でも使われた。
「ユニコーン企業(yè)」を通して、起業(yè)や投資の方向性、業(yè)界の注目ポイント、將來の動向などをある程度占うことができる。その主流となっているのが、eコマースやモバイルインターネット、科學(xué)技術(shù)系の企業(yè)だ。最新情報によると、2017年上半期、世界ではユニコーン企業(yè)が24社誕生し、その3分の1が中國の企業(yè)だという。
ハリネズミの法則
寒い冬のある日、寒さをしのぐために2匹のハリネズミは、寄り添って寢ていたものの、両者の體には「針」があるため、近付き過ぎると痛いし、離れ過ぎると寒いしと、なかなか快適に眠ることができずにいた。そして、寄り添ったり、離れたりを繰り返しているうちに、2匹のハリネズミはついに、寒くもなく、針でちくっとすることもない、互いにとって一番いい距離をつかむことができるようになった。
これは、人間関係における「心理的距離」と同じで、チームマネジメントや職場の人間関係、さらに、政治と商業(yè)の関係、サービス業(yè)などにも適用される。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2017年6月29日
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