3．技術(shù)革新と卒業(yè)論文

AI時(shí)代には、卒業(yè)論文の書き方が変わることは確かであるが、それがどのように変わるか考えるために、溫故知新、IT時(shí)代になってどのように変化したかを振り返ってみる。1990年代前半までは、卒業(yè)論文は手書きで書いていたが、90年代半ばにはワープロが使用されるようになり、このワープロ使用機(jī)という移行期を経て90年代後半以降からはパソコンの急速な普及に伴い、インターネットを利用しつつ、パソコンで書く形式となり現(xiàn)在に至る。更に、2010年代以降は、スマートフォンやタブレットを使用して書く者も現(xiàn)れてきている。では、ITの普及前と、普及後での卒業(yè)論文の制作に生じた変化を見(jiàn)てみる。

3.1 IT(インターネット?パソコン)普及以前（1990年代前半以前）

短所

現(xiàn)在から見(jiàn)て、短所としては、手書きなので、修正や書き直しは、現(xiàn)在のようにこまめに行うことはできず、全て書き直さなければならないので、非常に大変であった。資料も、図書館に行き、検索コーナーで図書目録や図書カードを一枚ずつ探さなければならず、その本や論文を入手するのも膨大な時(shí)間と労力が大変かかり、苦労した。そして、タイトルで選び、入手した本や論文も自分の探していたものとは違う可能性が高く、徒労に終わる可能性が高かった。つまり、インターネットがある現(xiàn)在と比べれば、資料の充実度、網(wǎng)羅度などは、ずっと低かった。

長(zhǎng)所

しかし、手書きは書き直しの時(shí)間と労力のコストが非常に高いので、論をよく組み立てからでないと書けない。熟考し、論を組み立ててから、傍証となる資料などを揃えた上で、書き始めて完成させるので、論文の構(gòu)成の完成度は高く、構(gòu)成力や集中力は鍛えられる。

また、構(gòu)成を決めてから書き出し、また手で書くことも相俟って、引用はあれども、コピペを行うことはまずできなかった。総じて、卒業(yè)論文は大學(xué)生活の締めくくり、総決算として、今まで學(xué)んだ學(xué)問(wèn)的なものに加えて日本語(yǔ)の文章能力、構(gòu)想力などを最大限に発揮させる場(chǎng)として機(jī)能し、多くの大學(xué)において、広く必須のものとされてきた。

3.2 IT（インターネット?パソコン）普及以後（1990年代後半以降）

長(zhǎng)所

パソコン入力なので、保存?編集がしやすい。コピーや、カット&ペーストなどが自由自在である。また、CNKI、CINII等資料の検索がデータベースに直接アクセス可能であり、求める資料が直ぐに大量に得られる。例えば、古典の名詞や語(yǔ)法の用例分析など、20年前までなら、その道の大家が10年掛けて調(diào)べるような資料が、あっという間により完全で漏れなく収集できてしまったり、図書館に行かずに自分のパソコンで論文や資料をダウンロードできたりするので、圧倒的に効率よく広く、深い資料までが収集できる。資料は電子データなので、引用が極めて容易である。

短所

しかし、コピー＆ペーストが極めて容易なので、「コピペ問(wèn)題」が深刻化している。また、パソコンを利用して手早く資料を集めて卒論を作成することが可能になった。また、インターネット上でのコミュニケーションが極めて容易かつ活発になったことにより、卒業(yè)論文を?qū)熼Tの業(yè)者に代行させることが容易になり、論文の代筆?代行を請(qǐng)け負(fù)う業(yè)者や人を探すことやマッチングも極めて容易になり、「卒業(yè)論文代行問(wèn)題」が生まれ、教育現(xiàn)場(chǎng)の課題となっている。こうした卒業(yè)論文の代行を請(qǐng)け負(fù)う業(yè)者は以前から存在していたが、インターネットの普及により、卒論代行業(yè)者はネットにも広告を掲載するほどありふれた存在となった。代行業(yè)者が存在する背景として、學(xué)生の就職活動(dòng)が長(zhǎng)期化して卒論作成の時(shí)間を取り難くなったこと、大學(xué)側(cè)のチェック體制の不備、などが挙げられている。このような卒論代行業(yè)者は、日本のみならず海外でも多數(shù)存在する。

3.3 対策とIT化以降の卒論の位置付けの変化

対策として現(xiàn)在では、中國(guó)では、発覚したならば停學(xué)とするなど教育部で定め、學(xué)生の卒業(yè)論文の指導(dǎo)を毎週指導(dǎo)するようにし、指導(dǎo)冊(cè)子に指導(dǎo)內(nèi)容を記録して、教員が見(jiàn)過(guò)ごすことのないようにしている。また、ソフトウェアにより、當(dāng)該文章の中に、他者の論文やインターネット上からの「コピペ」がないか、チェックするように対応策がとられるようになってきている。2010年ごろから博士論文に対して、そのような検査が行われ、2015年前後より、修士論文でも行われるようになり、今年度2018年より學(xué)部の卒業(yè)論文でもそのようになってきた。

総じて卒業(yè)論文に取り組むことで、大學(xué)で學(xué)んだことを用いて自らの問(wèn)題意識(shí)で物事を解明する力を身につけられ、また、卒業(yè)論文を書いたことがあれば、論理的に明解な長(zhǎng)文を完成させることが今後も可能になる。説得力のある長(zhǎng)文を書くことは、文章上のプレゼン能力を身につけることに等しい。インターネットが普及するにつれ、情報(bào)の入手が容易になり、たくさんの情報(bào)をどう整理して、まとめるか、むしろ文章を構(gòu)成する知的能力がこれまで以上に求められるようになってきている。

4. AI（人工知能）の進(jìn)展に伴う変化（2010年代後半以降）

人工知能(AI、artificial intelligence)とは、総合的な概念と技術(shù)であり、「人間の知的能力をコンピュータ上で実現(xiàn)する、様々な技術(shù)?ソフトウェア?コンピューターシステム」のことであるが、「知能とはそもそも何なのか」という問(wèn)いが立てられている。これは、人間を基準(zhǔn)として世の中を認(rèn)識(shí)する、人間の可能性と限界を検証するという哲學(xué)的意味をも併せ持つ。2010年代後半より、リーズナブルなコストで大量の計(jì)算リソースが手に入るようになったことで、ビッグデータが出現(xiàn)し、企業(yè)が膨大なデータの活用に極めて強(qiáng)い関心を寄せて全世界的に民間企業(yè)主導(dǎo)で莫大な投資を行って人工知能に関する研究開(kāi)発競(jìng)爭(zhēng)が展開(kāi)されている。その結(jié)果、人工知能の第三次ブームが起きており、汎用人工知能（AGI）と技術(shù)的特異點(diǎn)の実現(xiàn)に関して企業(yè)間、更には2013年にアメリカで國(guó)家間でオバマ前大統(tǒng)領(lǐng)が脳研究プロジェクト「BRAIN Initiative」を発表し、中國(guó)でも2016年の第13次5カ年計(jì)畫からAIを國(guó)家プロジェクトに位置づけたように、官民一體となった熾烈なAIの研究開(kāi)発競(jìng)爭(zhēng)が推進(jìn)されている。