それと同時に、社會が大學卒業(yè)生に対して求めている能力も変容してきている。たった十數(shù)年以前までは外國語(日本語)さえできれば、引く手數(shù)多で、高給を得られる職につけたが、現(xiàn)在では既に、一つの外國語だけでは足りず、複合的な専門や能力を持つ人材や、即戦力として活躍できる人材が求められるようになってきている。そこで、ますます多くの大學も主専攻副専攻の制度やダブルディグリーの制度を設(shè)けたり、企業(yè)などでの実習を課したりするようになってきている。そのため、學術(shù)研究を第一義とする一流大學以外では、學術(shù)?學問を第一としないようになってきている。
6.今後の卒業(yè)論文
卒業(yè)論文とは、大學4年間で學んだことの集大成であり、醫(yī)學部なら醫(yī)師國家試験がそれにあたるように卒業(yè)論文は大學教育に必要不可欠なものではない。外國語教育ならば、4年間の外國語學習の成果を用いて、まとまった量の翻訳や通訳の実踐、外國へ行って実際にその國の人と交流したり、知見を広げたりすることも、十分に學んだことの集大成である。
日本では、2020年から文部科學省が改定作業(yè)を進めている知識偏重から思考力や判斷力を重視する新學習指導要領(lǐng)が全面実施される。次世代の教育では人工知能(AI)が學校教育にも取り入れられるようになり、知識を習得する學習形態(tài)から、AIに負けない、人間にしかできない感性や個性、思考力や判斷力をこれまで以上に身につけていくことが大切になっていく。教師が一方的に教えることから、學生が主體的に學び、問題を解決することへ教育の重點がシフトし、AIに負けない思考力のある人間を育てていくことがこれまで以上に強く求められていくことになる。文部科學省は「教育課程編成?実施の方針について」にて、大學に期待される取組の具體的な改善方策として、「各大學の実情に応じ,在學中の學習成果を証明する機會を設(shè)け,その集大成を評価する取組を進める。 例えば,卒業(yè)論文やゼミ論文などの工夫改善や新規(guī)導入を?qū)g施したり,學部?學科別の,あるいは全學的な卒業(yè)認定試験を?qū)g施したりすることを検討,研究する。」としている。
実際、既に卒業(yè)論文?制作があるのは人文社會系の學部で73.1%、社會科學系の學部で32.7%に過ぎない。多様な特徴を持つカリキュラム編成を反映して特に文系では學際化が進み、卒業(yè)要件として卒業(yè)論文を課す大學は減少し、卒論が無くなったり、選択制で書かなくても卒業(yè)できるようになったりしてきている。中國の外國語教育、特に日本語教育においても、修剛(2018)が日語専業(yè)の國家標準作成し「作品を翻訳したり、実踐したことの報告書であったり、多様な形式であっていい」と述べている。
集大成であるから、なにも卒業(yè)論文という形式に拘る必然性はない。また、卒業(yè)論文の目的は日本語の能力を高めるためではないので、論理的に「中國語または日本語による執(zhí)筆」となるのであるが、これは同時に、レベルの乖離により、日本語で論文を書けない學生、日本語での論文を指導できない教員等レベルの大學が少なからず存在することへの現(xiàn)実的対応策ともなっている。
このように、多様な人材?複合的な人材を求める社會の要求は、大學の大衆(zhòng)化も相俟って學生のレベルやカリキュラムに応じてそれぞれの大學がそれぞれの形での大學4年間の集大成の形を模索していく方向にある。そこで、①卒業(yè)論文を卒業(yè)要件とする大學の割合は減少していくと思われる。また、AIの技術(shù)的な進展は、今まで論文を作成する際に多大な労力を払ってきた、資料の収集やその資料が外國語である時はその翻訳、外國語で書く場合は高い語學力といった方面への労力の逓減をもたらしてきている。ここから、初心に帰ってもう一度卒業(yè)論文の意義を問い直すことが必要になってくる。その帰結(jié)として、卒業(yè)論文は、②外國語専攻と雖も、AIの進化に伴って卒業(yè)論文は知識や語學力を示すものではなくなっていき、語學としての比重は下がっていく。そして、AIの進化に伴って今まで多大な力を割かねばならなかった作業(yè)に対する負擔が下がることによって、③どんな目的?問題意識を持っての主體的な知的作業(yè)であるかが重視されるようになっていく。つまり、何をどう論じ、どのような結(jié)論を得たかというより本來的な論文としての比重が上がっていく。AI、卒業(yè)論文はITやAIを利用してその答えを探し、得たデータや資料を用いて、筋道立てて自説やある物事を論じるという知的作業(yè)により焦點が加わって行くものと思われる。
ここから、AI時代の大學での外國語教育における卒業(yè)論文は、學術(shù)論文以外に、翻訳?通訳や交流活動などの実踐報告、文學作品の翻訳や、言語以外の他分野にまたがる學際的學びが増えていくことから、起業(yè)案作成など、多元化して行くと考えられる。
現(xiàn)在行われている、卒業(yè)論文コンクールは、日本語で書かれた學術(shù)論文に限定しているが、學術(shù)論文以外の形式の部門にも対象を広げることも一つの方向性になるかもしれない。また、學術(shù)論文としての卒業(yè)論文は、語學の評価比率は下がり、新しく何を言ったかという創(chuàng)造に対する比重が上がっていくものと考えられる。
參考文獻
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楊秀娥(2013).大學日本語専攻における卒業(yè)論文作成への指導教員の意味付け――中國のある大學の日本語教師へのインタビュー調(diào)査から『日本學刊(香港日本語教育研究會)』16,262-274.
「人民網(wǎng)日本語版」2018年5月3日
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