漢字がプリントされたTシャツが今では「オシャレ」アイテムに

中央財(cái)経大學(xué)3年生の邱風(fēng)さん（女性）は、「國(guó)潮」の波が起こり、大きなブームへと発展していく過程を経験してきた。高校生の時(shí)から中國(guó)伝統(tǒng)文化が大好きだった邱さんは、當(dāng)時(shí)「國(guó)潮」は流行していなかったものの、どこかのブランドが中國(guó)伝統(tǒng)文化の要素を盛り込んだ商品を打ち出すたびに、応援の意味を込めて購入していた。そうしているうちに、服から鞋、文房具、スキンケア品など、生活のあらゆる分野が少しずつ「國(guó)潮」に染まっていった。

邱さんは敏感肌にもかかわらず、「國(guó)潮」を応援するために、中國(guó)國(guó)産ブランドのスキンケア商品セットを購入したこともある。そのガラスの瓶や木製の栓、薄く施された模様などがとても気に入り、アレルギーも出ずに喜んだだけでなく、さわやかな香りとともに一夏を過ごすこともできた。そして、「國(guó)潮」の今後の発展にいっそう期待するようになった。邱さんは少し冗談ぽい口調(diào)で、「伝統(tǒng)文化がさらに大きく羽ばたいていく日を待ちわびている」と明るく語った。

中國(guó)服裝デザイナー協(xié)會(huì)の張慶輝主席は、「『國(guó)潮』の出現(xiàn)は、総合的な國(guó)力や経済社會(huì)の発展が一定の段階に達(dá)した時(shí)の必然的な産物だ。具體的には、現(xiàn)在の消費(fèi)者が文化的な自覚を持ち、自國(guó)文化の要素を高く評(píng)価するようになっており、また消費(fèi)観念が多元化、個(gè)性化していることも示している」と分析する。

また、北京服裝學(xué)院ファッションコミュニケーション學(xué)院の教員を務(wù)める董妍氏は、「私たちが子供の頃とはかなり違う。私たちが子供の頃、ジーンズや柄付きのシャツ、アフロヘアなど、中國(guó)のファッションのトレンドはほとんど海外発のものばかりだった。しかし今では、中國(guó)の消費(fèi)者が自國(guó)の文化を高く評(píng)価し、伝統(tǒng)的なものにも素晴らしいところがあることに気付くようになっている。Tシャツにアルファベットがプリントされていればオシャレという時(shí)代は終わり、今は漢字がプリントされたTシャツが受け入れられるようになっている」と語る。

「國(guó)潮」は急速に発展しているものの、市場(chǎng)全體を見ると、良いものも悪いもの入り混じっている。例えば、「國(guó)潮」を過度に強(qiáng)調(diào)してマーケティングを展開している企業(yè)も多い。「衣料品だけでなく、日用品、グルメ、家電など、ほとんどすべての分野のブランドが『國(guó)潮』を売り文句にしている。どんなブランドでも、『國(guó)潮』と銘打てばそれで『國(guó)潮』ということになる」。また、「國(guó)潮」と銘打ちながら、実際には中國(guó)の要素を単に盛り込んでいるだけで、作りが粗末でクオリティが低い商品を売っている企業(yè)も多く、そんな企業(yè)は信念あるブランド文化とはほど遠(yuǎn)い。

そのような問題の解決策について、張慶輝主席は、「今後『國(guó)潮』が発展できるかは市場(chǎng)によって決まる。これらの問題は、市場(chǎng)における自然淘汰によって解決されるだろう」との見方を示す。また、董氏は、「政府が業(yè)界全體の品質(zhì)基準(zhǔn)を制定することも急務(wù)だ」と指摘した。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語版」2019年8月21日