活動やドキュメンタリー制作を通じて改めて感じた中國とは
新型コロナウイルスを取り巻く狀況はその発生から感染拡大、武漢封鎖から封鎖解除、そしてパンデミックへとめまぐるしい変化を遂げている。その中で中國の新型コロナ対策をドキュメンタリー制作を通じて見つめてきた竹內(nèi)氏は、「一言でいうと『すごい』という言葉でしか表現(xiàn)しようがない。最初はここまでやるのか、やり過ぎではないのかという思いもあったが、実際に結(jié)果が出ているので、中國政府の決斷力の速さと実行力、そして中國の人々が一致団結(jié)し、協(xié)力し、助け合ったことが、すごいと感じた。誰かがすごいとかではなく、全員すごいと思った」と高く評価。また同じメディアの立場から、中國のメディアに対しても、「普段から中國のメディアがやっていることではあるのだが、常に第一線で頑張っている人々を報道し続けた點が、日本と比べるとすごいと今回初めて感じた。そういう人たちを目にすることで、人々がより一致団結(jié)し、頑張ろうという気持ちにさせられる。一方の日本のメディアは否定することが多いので、社會全體がどんどんギスギスしていってしまう。日本のメディアも同じように頑張っている人々をもっと取り上げるべきではないだろうか」との見方を示した。
ドキュメンタリー「新規(guī)感染者ゼロの街」
「相當中立に近い立場」から中國を捉える
しかし、竹內(nèi)氏の制作したドキュメンタリー「新規(guī)感染者ゼロの街」はそうした「すごい」という思いよりも、むしろすべてを淡々と捉えた手法で作られており、それによってかえって説得力が増し、このドキュメンタリーの反響を大きくした。その點について竹內(nèi)氏は、「リアルに伝えたかったから。中國良いよ、中國のコロナ対策すごいよというのではなく、また逆に恐ろしいよという風に伝えるつもりもなく、私たちはあくまで見たものを提供して、あとは皆さん考えてくださいという姿勢で、ドキュメンタリーの基本に忠実に作っただけだと思っている。これは何が正しいと私が言える問題でもない。南京には適した対策かもしれないが、日本に適しているかは別なので、あくまで參考にしてほしいというスタンスだ」としている。
とはいえ、そのシンプルさとバランスの取り方は絶妙であり、それを貫くことはなかなか難しいのではないだろうか?そんな問いに竹內(nèi)氏は、「たぶん若い時に中國に來ていたら、中國を好きになり過ぎて、だいぶ中國寄りになってしまっていたかもしれない。中國が本當に大好きなので。ただ私の場合、33歳まで日本にいて、キャリアもメディアに対する考え方も日本で形成され、日本人の考えなどをかなり理解した上で中國に來た。そういう意味で中國に完全に染まってはいない。たぶん今後も染まることはないだろう。もちろん100%中立的というのはあり得ないが、たぶん相當中立に近い立場に立てているのではないかと自分では思っている」としている。
「パンダの恩返し」活動の今後について竹內(nèi)氏は、「あまり先のことまでは正直考えていない。いつになったら終わるんだろうとは思うが、寄付が集まり続ける限りは送り続ける。まだまだ全然頑張れるし、頑張るつもりだ」と飄々と語る。インタビューの最初から最後まで、非常にリラックスした「自然體」の竹內(nèi)氏の語り口は、飾ることなく淡々としていながら、しっかりとした芯を感じさせてくれる彼のドキュメンタリー作品そのものだった。(文?玄番登史江)
「人民網(wǎng)日本語版」2020年4月23日