タニシ麺は1970?80年代に広西チワン族自治區(qū)柳州市で生まれたB級グルメだ。酸味、辛味、香り、旨味がそろっているものの、匂いがきついため、大好きだが匂いは苦手という人も多い??萍既請?bào)が伝えた。
私たちがよく知る臭みのある食品、例えば臭豆腐や豆汁などは、いずれも発酵によりこうした食品に特有の匂いになっている。タニシ麺の中で唯一の発酵食品は酸筍(塩漬け筍)だ。酸筍の作り方はやや大雑把なもので、丁度いい大きさの筍を選び塩水で漬け、10日も置いておけば酸味が出る。酸筍の発酵環(huán)境は酸素を完全に隔絶せず、好気菌と無気菌の共同作用を起こす。筍に含まれる糖分とタンパク質(zhì)が発酵し、各種のアミノ酸、有機(jī)酸、アルデヒド、アルコールなどの物質(zhì)に変わる。
広西大學(xué)の論文によると、生の筍と比べると、酸筍のシステイン含有量は明らかに低くなっているが、トリプトファンは検出されなかった。つまり発酵中にシステインとトリプトファンがその他の物質(zhì)に変化したということだ。
そのうち硫黃アミノ酸とシステインを含む代謝物は、臭いことで有名な硫化水素だ。これはおならに含まれる匂い成分だ。そしてトリプトファンの代謝物はスカトールと呼ばれる。スカトール自體は低濃度であれば臭みがないばかりか、多くの花の香りの源でもある。スカトールを香料として添加する香水と芳香剤も多い。しかし濃度が高すぎるとすぐに臭みに変わってしまう。しかもスカトール(中國語は「糞臭素」)という名前からも分かる通り、糞の匂いだ。このことは、香水を過度につけてはいけない、つけすぎると臭くなるということを私たちに教えてくれる。
酸筍のシステインとトリプトファンは大量に消耗され、最終的な産物である硫化水素とスカトールが蓄積し、刺激臭が発生する。さらにタニシ麺を作る途中に加熱され、辛味が混ざるため、さまざまな匂い成分の揮発が加速する。食べ終わっても殘り香が漂い、病みつきになる。
タニシ麺の臭みに対する酸筍の貢獻(xiàn)は非常に大きいが、タニシ麺の味は1、2種類の物質(zhì)の組み合わせによるものでないことは間違いない。実際にすべての発酵食品の特殊な風(fēng)味は數(shù)十種、さらには百種以上の揮発性物質(zhì)の混合によるものだ。硫化水素(もしくはその他のメルカプト類)及びスカトールは、その一部の臭みの元であるとしか説明できない。他にも多くのアルコール?アルデヒド?酸類などの物質(zhì)がタニシ麺の匂いの元になっている。(編集YF)
「人民網(wǎng)日本語版」2020年6月10日