陝西省商洛市柞水県の金米村は、秦嶺の懐に抱かれたのどかな谷合の農村。ここはキクラゲで貧困からの脫卻を成し遂げた村として有名だ。2020年、村民の平均可処分所得は1萬1千元(1元は約16.6円)に達した。 金米村では2020年にキクラゲを約60トン販売した。うち実店舗での販売は約18.5トン、生産額は100萬元近く。メインとなったのは電子商取引で、受注件數(shù)は10萬件に上り、約40トン分を販売、売上高は300萬元に及んだ。電子商取引は金米村のキクラゲ販売の主要チャネルとなっており、村に設置された電子商取引センターで行われるライブコマースでは、8萬袋のキクラゲが秒速で売り切れることもあるという。人民網が報じた。
新型コロナウイルス感染癥の影響で一時売上が落ちていたこの村のキクラゲがこれほどの売れ行きをみせたきっかけは、2020年4月の習近平総書記の視察。金米村のキクラゲ産業(yè)の発展ぶりを見た習総書記は、「小木耳、大産業(yè)」という言葉を殘した。その後、金米村のキクラゲは爆発的な人気となり、売り切れが続いたという。
柞水県では、2017年からキクラゲ生産を県の産業(yè)の柱にしている。キクラゲ生産を選んだのは、この地が秦嶺山脈の山間にあり、濕潤な気候であることが大きな理由だという。以來、村では栽培技術を年々改良し、當初の菌床を地面へに直置きする方式から、タワー式、さらには溫度や濕度が管理された先進的な溫室での吊り下げ式スマート溫室栽培に力を入れている。スマート溫室栽培は最も生産効率が高く、村では今年溫室を40棟増設し、規(guī)模を拡大する計畫だ。
金米村の黒キクラゲは肉厚で弾力があり、歯応えもあって美味。水で戻したものをそのままタレにつけて食べたり、和えものにしたりするとその良さが際立つ。金米村では黒キクラゲのほかにも「銀木耳」(白キクラゲ)や、「金木耳」と呼ばれる金色のキクラゲ、「玉木耳」というキクラゲなど、珍しい品種も生産している。金米村という名前は、「山上に金あり、地上に米あり」と言われたことからついたという。今では、黒、白、金、玉の各種キクラゲが金米村を豊かにし、村おこしの主役となっている。(文?勝又あや子)
「人民網日本語版」2021年4月20日