若者はなぜヘルスケア重視?
年代別に比較すると、「60後(1960年代生まれ)」と「70後(1970年代生まれ)」、さらに「80後(1980年代生まれ)」は、若いときにヘルスケアを重視せず、ヘルスケアの意識に目覚めるのが相対的に遅かった。今は目覚める時期が早くなり、「90後」も「00後(2000年代生まれ)」さえもヘルスケアに注意を払うようになった?!?0後」と「00後」のヘルスケア観はより深く內容も豊富で、「病気にならない」のが唯一の目標ではなくなり、質の高い生活を送ることこそ重要と考えている。彼らにとって、心が安定し、おいしく食べられ、ぐっすり眠れ、肌がきれいで、體型がよく、ヘルスケアも行き屆いているのが理想だ。こうした傾向について、「今の若者の生活は精緻すぎて、やり過ぎの感もある。しかしこうした世代間格差にはヘルスケアと健康に対する姿勢の変化がよく表れている」との見方を示するネットユーザーがいる。
北京栄養(yǎng)士協會の顧中一理事はその原因について取材に対し、「これは生活レベルの向上、物質的な條件が豊かになった社會的背景と関係がある。誰もがより高いレベルのニーズを思い、ヘルスケアとは以前は他人が病気や痛みで苦しむのを見たり自分のこととして経験したりしてから取り組むものだったのが、今は予防を中心とするものに変わり、ポイントが基礎的な健康ニーズから質の高い生活へと移り変わった」と指摘した。
北京大學醫(yī)學人文學院の王岳副院長は、「社會化の過程では同世代の層が及ぼす影響が大きく、それによって若者のヘルスケア観の転換が一層促進されることもあるだろう。ヘルスケアに注意を払う人が1人いれば、周りの人々も一緒に行動するようになる可能性が出てくる。新しい方法でヘルスケアを追求する人が1人いれば、周りの人々もその方法を試したり受け入れたりするようになる可能性がある」との見方を示した。
ヘルスケアに注意するだけでなく、若者はヘルスケアにお金を払いたいと考える傾向が強い。2020年版「若者総合健康消費報告」によると、若者の6割近くは健康をめぐる消費意欲が高く、飲食と運動が大きな部分を占める。若者から中年への移行期にある31-35歳の層は、健康消費の意欲度が80%に迫る。こうした傾向がヘルスケア消費市場を細分化し、若者のヘルスケア市場は徐々に拡大して、良好な消費のポテンシャルを示しているという。
王氏も1組のデータを挙げて、「昨年のあるECプラットフォームのネットショッピングイベント『618』の売り上げのうち、アイケア製品が前年同期比4126%増で、プロテインが同751%増、ビタミンが同387%増だった。このうち『95後(1995年から1999年生まれ)』と『00後』のアクティブユーザー數は同126%増だった」と説明した。
ヘルスケア消費に熱心な若者が市場の活力を非常に大きくかき立てる一方で、市場もこうした若者のためにより多様化した商品とサービスを打ち出す。痩せて體型をキープ、運動と栄養(yǎng)をサポート、目と脳によい、バイオプロティクスなどをうたうサプリメント、生薬の阿膠や黒ごま丸薬などの栄養(yǎng)補助食品、血圧計や血糖測定器などの家庭用醫(yī)療機器、睡眠サポート、ジム、鍼灸、マッサージなどのヘルスケアサービス……細分化したヘルスケアニーズと日々ますます豊富になる市場サプライが相互に促進し合って、質の高い暮らしに対する若者の要求をさらに高く押し上げている。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年8月10日