四川省雅安市寶興県磽磧蔵(チベット)族郷で最近、ある村民が帰宅途中にジャイアントパンダと再び遭遇した。華西都市報(bào)が報(bào)じた。
11月23日の夜中、雪が舞う道を、ジャイアントパンダがゆったりとした足取りで歩いていた。それを目撃した村民は、スマホでその様子を撮影し、パンダが完全に姿を消したのを確認(rèn)してから、車(chē)で走り去った。翌日、その動(dòng)畫(huà)をネット上にアップすると、2時(shí)間もしない間に、アクセス數(shù)が100萬(wàn)回に達(dá)した。
今シーズンの冬に入ってから、磽磧で村民がジャイアントパンダに3回も遭遇していることが注目を集めている。パンダに遭遇する確率が高いことから村は「パンダ村」と呼ばれるようになっている。中國(guó)の第4回ジャイアントパンダ調(diào)査の結(jié)果によると、寶興県には野生のジャイアントパンダが181頭生息しており、これは全國(guó)の県(區(qū))で2番目に多い數(shù)となっている。
そして今年、ジャイアントパンダ國(guó)家公園に指定された地域の中心エリアにある寶興県磽磧蔵族郷に対する注目度がますます高まりを見(jiàn)せている。しかし、村民の能卡曼さんが、「ジャイアントパンダや他の動(dòng)物はみんな隣人。隣人とは互いに尊重しながら暮らせばよく、親密になりすぎる必要はない」と話(huà)すように、村の人々はパンダと一定の距離を保ち続けている。
平和に共生
パンダが我が家に
夾拉村の村民?植春玉さんがある日の正午ごろ、籠を背負(fù)って山から下りて來(lái)て、民宿を経営する自宅に入ると、食事をしていた客から「パンダを抱っこして寫(xiě)真に寫(xiě)っていたおばさんでしょ?」と興奮気味に聞かれ、植春玉さんは少し恥ずかしそうな表情を見(jiàn)せた。
実は、數(shù)年前、山で山菜採(cǎi)りをしていた時(shí)に、パンダが突然木の上から、植春玉さん目の前に落ちてきたという。その後の彼女の対応はまさに「お手本通り」だったと言える。まずすぐにパンダから距離を保ち、パンダを驚かせないようにした。そして10分ほどして、この幼いパンダの近くには親パンダがいないことを確認(rèn)してから近づくと、どうやら病気であることが分かった。
植春玉さんは、そのパンダを籠に入れて背負(fù)い、家に戻ると最寄りの蜂桶寨保護(hù)區(qū)に連絡(luò)したという。「私たちが助けようとしていることが分かっているようで、とてもおとなしかった」という。
保護(hù)區(qū)のスタッフは帰る前に、パンダが植春玉さんに懐いて、離れようとしないのを見(jiàn)て、それを?qū)懻妞舜椁盲俊¥饯螌?xiě)真がネットで拡散され、植春玉さんは「パンダを抱っこして寫(xiě)真を撮ったおばさん」と呼ばれるようになった。
山でパンダに遭遇するのは縁起の良いこと
磽磧は四川盆地からチベット高原につながる場(chǎng)所に位置し、世界でも重要な生態(tài)環(huán)境エリアだ。この大自然の中にある村には、自然と共存するための知恵がある。
以前、磽磧で5年かけてフィールドワークを行った四川大學(xué)の李錦教授は、現(xiàn)地の人は宇宙や土地、山、川、に対して非常に誠(chéng)実で、素樸な認(rèn)識(shí)を抱いていると実感したといい、「例えば、磽磧の人は、山神を信仰しているので、トラやヒョウに危害を加えることはない。なぜなら、彼らにとって、それは山神の化身だからだ」と話(huà)す。
1960年代、磽磧ではジャイアントパンダは「花熊」と呼ばれ、ジャイアントパンダが人家にやって來(lái)て暴れたり、農(nóng)作物を食い散らかしたり、人間を襲うこともあったため、人々に恐れられていた。
しかし現(xiàn)在、村民はジャイアントパンダと一定の距離を保つようになっており、ジャイアントパンダに遭遇した場(chǎng)合でもせいぜい遠(yuǎn)くからスマホで撮影するくらいだ。木の上でのんびりしていたり、草むらで日向ぼっこしていたり、水辺で水を飲んでいたりするパンダのほうでも、ほとんどが人がいることに気付くと、ゆっくりと林の奧へと消えていく。
そのため村民は今では山でパンダに遭遇することは、縁起の良いことだと考えるようになっている。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2021年12月23日