北京市朝陽區(qū)にある高級百貨店「SKP」では、旬の果物?ライチが500グラム1049元(1元は約 20.6円)で販売されており、このところ話題を集めている。SKPを取材したところ、この品種のライチは1粒當(dāng)たり約60元で販売され、陳列されてから2日で売り切れたことが分かった。人民網(wǎng)が各社の報道をまとめて報じた。
先ごろ、あるネットユーザーが、「百貨店で『増城掛緑』というブランドのライチを買おうとしたら、レジで1パック969.28元であることに気付いた。よく見てみると、値段は500グラム當(dāng)たり1049元と表示されていた」という內(nèi)容をネットに投稿した。
店員によると、「増城掛緑」という品種のライチは広東省産で、収穫後は北京に空輸されているため、とても新鮮であるほか、果肉がプリッとしていて、その糖度も他の品種よりも高いため、高値になっているのだという。
店員は取材に対して、「1パック1000元ちょっとで、量が少なめの場合は900元代の場合もある。1パックに15‐20粒入っており、1粒當(dāng)たり約60元。早ければ明日にも新たに入荷した品を陳列できるだろう。午前10時開店なので、買いたい人はできるだけ早く來店してほしい」とした。
時代周報の報道によると、2002年に開催されたあるオークションで、広東省広州市増城區(qū)で生産された掛緑ライチは1粒55.5萬元という破格の値段で落札され、當(dāng)時世界で最も高価な果物として、ギネス記録にもなった。
これに対しネットユーザーからは、「掛緑がこうした価格で取引されているのは普通のこと。希少品種で、原産地でもやはりこのくらい高い値段で売られている。地元の人でも掛緑を食べることはほとんどない」といったコメントのほか、「これは楊貴妃に食べさせるためのライチに違いない」といったツッコミ交じりのコメントも寄せられている。
一度は絶滅しかけた「増城掛緑」
「増城掛緑」は、増城區(qū)の特産品で希少品種。熟すと皮が美しい赤紫色になり、その中央に緑色のラインが入っていることから「掛緑」という名が付けられたという。実は大きめでやや平たい形をしており、その果肉はさっぱりとした味わいで、ほのかに甘い香りがして、保存できる期間も長めとなっている。
ある資料によると、400年以上前の文獻(xiàn)に「増城掛緑」についての記載があり、その原産地は増城新塘四望崗となっている。その後、清の第7代皇帝?嘉慶帝(1796‐1820)の時代に、ライチに重稅が課せられたため、その負(fù)擔(dān)に耐えられなくなった農(nóng)家が掛緑ライチの木を伐採したとされている。
幸いにも、清の最後の皇帝?宣統(tǒng)帝(1908‐1912年)の時代の末期に、増城の西郊外にある西園寺に一本の古い掛緑ライチの木が殘っていた。ただ、あまりにも古い木であったため、1970年に一度は枯れかけ、農(nóng)業(yè)科學(xué)専門家が全力を傾けて救援策を施した結(jié)果、新たな芽を出し、実を結(jié)ぶようになったという。
そして「復(fù)活」したその木から、農(nóng)業(yè)技術(shù)者が第二世代、第三世代の栽培に成功した。近年販売されている掛緑ライチはいずれもこの古い木の子孫にあたる木になった実だという。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2022年7月18日