生徒がいじめを受けていても、教師や學校が往々にして何もしようとしないというのには、驚かされる。06年には、學校でのいじめを苦に自殺すると予告する手紙が伊吹文明文部科學大臣宛てに屆き、「僕をいじめている人は全く罰を受けていない。先生にも狀況を説明したが、なにもしてくれなかった」と書かれていた。いじめが発生した際、教師や學校がすぐに対応し、加害者に対してなんらかの処罰を下すなら、被害者は大きな安心感を抱くことができる。反対に、見て見ぬふりをするなら、被害者は無意識のうちに挫折感を抱き、予想しない結果になってしまう可能性さえある。
特筆すべきは、日本社會に潛む「自殺文化」が若者に大きな影響を與えている點で、この點を決して過小評価してはいけない。日本社會の根底には「武士道」がある。その精神が、日本人の求心力を高める上で大きな役割を擔っていることは確かだ。しかし、命を軽視する考えもそこに潛んでいる。この種の精神は、日本社會で平然と受け入れられ、理解できないことに、文學作品の中でも自殺が美化されてしまっている。日本の若者は社會になじんでいく過程で、そのような文化の影響をいつの間にか受けている。そして、いじめられると、封鎖された環(huán)境に閉じこもり、自殺は勇気ある行動であるという間違った観念に陥り、自ら命を絶つという愚行を犯してしまうのだ。
そのほか、進學や就職などにおけるストレスも、學生の間で悲劇が頻繁に発生する主な原因となっている。もちろん、このような現(xiàn)狀を日本政府ははっきりと把握しており、いじめ問題に対応すべく、文部科學省は學校や警察との協(xié)力を強化している。また、東京都は昨年10月中旬、児童や生徒に対する相談體制を強化しようと、スクールカウンセラーを新年度から都內(nèi)の公立小學校と都立高校のすべてに範囲を拡大して配置していく方針を固めた。しかし、學生のいじめが原因の自殺が増加の一途をたどっている現(xiàn)実は、日本政府の対策が現(xiàn)実に追いついていないことを示唆している。
客観的に見て、日本の若者の自殺問題を根本的に解決するためには、日本政府が、學校內(nèi)でのいじめの解決策を探し、教師の危機対応能力を向上させ、「自殺文化」の影響を取り除くことが必要不可欠だ。つまり、漫畫冊子を配って、學生らの自殺を防止しようとする今回の対策は、全く無意味で、正に子供だましに過ぎないということだ。
一方、學校でのいじめや自殺という問題が急増している中國にとって、日本の例は良い警告となっている。少なくとも、若者の心理的問題に関心を払うことや教師の質(zhì)を向上させること、積極的な向上心を持つという社會的価値観を育てることなどが急務であることを教えてくれている。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2014年5月8日
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