最初に中國(guó)を訪れたのは1975年だった。そのときから中國(guó)の內(nèi)政?外交には巨大な変化が生じた。私はこの數(shù)十年のあいだ何度も中國(guó)を訪問しているが、中國(guó)の5000年に及ぶ悠久の文明にはたいへん心をひかれる。そして、習(xí)近平のこの本からも得るところが大であった。

2012年5月、私は北京で初めて習(xí)氏にお目にかかった。半年後の2012年11月、習(xí)氏は中國(guó)共産黨中央委員會(huì)総書記に選出された。彼が就任してからの2年間を観察していっそう深く理解できたのは、過(guò)去40年間に中國(guó)の上層部の政治家の利害関心と視角にきわめて大きな変化が生じたこと、また同時(shí)に、中國(guó)の內(nèi)政?外交上の伝統(tǒng)が堅(jiān)持されていることだった。

古代エジプトなどのいわゆる古代文明國(guó)と比べると、中華文明は5000年のあいだ連綿と絶えることなく続き、しかも今でも活力に満ちている。儒教思想に代表される中國(guó)の伝統(tǒng)は少なくとも1000年余り支配的な地位を占めてきた。それは中國(guó)には全國(guó)民に影響を及ぼすような大一統(tǒng)の國(guó)教がないことを意味しており、道教、仏教、ヒンズー教、キリスト教、イスラム教はここでは仲良くそれぞれの影響力を発揮してきた。王侯による権力爭(zhēng)いはあったが、宗教が重要な役割を果たすことはかつてなかった。たとえモンゴル人や満州人が中原を占拠しても、このような局面に抵觸することはなく、モンゴル人や満州人は逆に自らの統(tǒng)治を漢族の伝統(tǒng)に順応させ、溶け込んでいった。

15世紀(jì)には、中國(guó)の文明の発展は造船でも印刷でも軍事技術(shù)でも、すべて世界トップであった。一方、當(dāng)時(shí)ヨーロッパの工業(yè)化は萌芽期にあり、北アメリカもその後に従った。19世紀(jì)、ヨーロッパ列強(qiáng)は中國(guó)を完全に占領(lǐng)してはいなかったが、すでにいわゆる租界を設(shè)けており、英國(guó)、フランス、スペイン、ポルトガルはその中で先頭を切っていた。ドイツもその中に加わった。19世紀(jì)に中國(guó)は暫定的な挫折をこうむり、弱體化していった。日本が20世紀(jì)に中國(guó)に対して進(jìn)めた大規(guī)模な殖民によって、中國(guó)は塗炭の苦しみに陥った。孫中山（孫文）らの長(zhǎng)年のたゆまぬ努力によって、中國(guó)は外國(guó)の強(qiáng)権から脫し、中國(guó)人民は1949年ついに毛沢東の指導(dǎo)下に勝利をとげ、新中國(guó)を建國(guó)した。毛沢東は當(dāng)時(shí)の中國(guó)のまぎれもない政治的領(lǐng)袖であり、今日の中國(guó)は毛沢東の打ち固めた基礎(chǔ)の上に築かれた。

しかし、毛沢東は非常に大きな過(guò)ちを犯した。特に1950年代、60年代の「大躍進(jìn)」と「プロレタリア階級(jí)文化大革命」がそうである。1976年に毛沢東が亡くなると、鄧小平が最終的に國(guó)家の最高指導(dǎo)者となった。正に彼の指導(dǎo)下で、中國(guó)は対外開放を?qū)g現(xiàn)し、グローバル経済に溶け込むようになった。さらにこれも彼の指導(dǎo)下で、中國(guó)は絶え間なく豊かさを目指す道を歩み始めた。