配屬されているのは、中國東北三省の一つ、遼寧省です。遼寧省の省都?瀋陽の中心部からバスで50分ほどの所に蘇家屯（そかとん）という町があります。蘇家屯の特徴を一つ上げるならば、朝鮮族の方々が多い町であることです。街に出れば、東北方言の中國語だけでなく、朝鮮語も耳に入ってきます。目にする看板も中國語?朝鮮語の二言語表記のものが少なくありません。そのような環(huán)境にある朝鮮族主體の中高一貫校が配屬先です。瀋陽市朝鮮族第二中學(xué)と言います。教員の背景や科目にもよりますが、ここでは朝鮮語を使って授業(yè)が行われています。このために韓國から來ている留學(xué)生もいます。

　ここでの活動は大きく二つに分けることができます。一つは生徒への日本語の授業(yè)で、もう一つは日本語科に5名いる同僚教師の日本語能力向上のサポートです。中心となっているのは日本語の授業(yè)です。

　朝鮮族第二中學(xué)では中學(xué)に入學(xué)すると1ヶ月の選択期間を経て、その後勉強(qiáng)する外國語を日本語か英語のどちらかに決めなければなりません。ほとんどの生徒が、このときに選んだ言語で、高校入學(xué)試験の外國語を受けます。それから、高校での外國語に関しても、同じように日本語か英語の選択制となっていますが、多くが中學(xué)のときに選んだものを続けて學(xué)んでいます。大體、全校生徒の3分の1が日本語を勉強(qiáng)しています。日本語を選ぶ理由はいろいろとあるようですが、その中でも目立つのが日本のアニメや漫畫に対する興味から日本語を勉強(qiáng)しているということです。日本でよく知られている作品は中國でも知られていて、アニメ好き?漫畫好きの生徒になると、その豊富な知識に圧倒されます。宿題や勉強(qiáng)に追われることが多い中國の生徒が、そんな時間の合間を縫って數(shù)多くの作品を視聴していることには驚かされますが、やはり好きなモノに対する原動力というのは盡きることがないのでしょう。

　日々の授業(yè)に関して言うと、外國語の授業(yè)は毎日あり、外教（外國人教師）は、各學(xué)年、週一日ずつ擔(dān)當(dāng)しています。そして、これは外國語に限らないことですが、生徒には多くの宿題や小テストなどが課されています。その目的は中考（高校入學(xué)試験）と高考（大學(xué)入學(xué)試験）のためのものです。これらの入學(xué)試験は中國の生徒にとって重要なできごとの一つと言ってもいいでしょう。受験の時期が來ると、それを巡るニュースをよく目にします。朝鮮族第二中學(xué)も例外ではなく、特に、中考には力を入れて取り組んでいる様子が窺えます。そんな雰囲気の中、外教に求められている役割はネイティブならではの強(qiáng)みを活かした授業(yè)で、具體的に言えば、入學(xué)試験にも含まれている聴解や作文を扱うことが多いです。その一方で、試験のための日本語から離れたものも求められています。