中國西部の青海省?西蔵(チベット)自治區(qū)?新疆維吾爾(ウイグル)自治區(qū)に生息する「高原の精霊」と呼ばれるチルーは5月に入り、長距離移動の「出産シーズン」を迎える。中國新聞社が伝えた。
毎年5?7月になると、多くのメスのチルーが青海省三江源、西蔵羌塘、新疆阿爾金山の3大國家級自然保護(hù)區(qū)から、「大産室」の可可西里(ココシリ)の卓乃湖に向かって移動し、集まって出産する。
青海省可可西里國家級自然保護(hù)區(qū)管理局の情報(bào)によると、三江源地域のチルー42頭が今月1日、青蔵鉄道と青蔵道路を渡り、可可西里の奧地にある卓乃湖に移り、出産準(zhǔn)備に入った。これにより今年のチルー大移動が全面的に始まったことを意味する。
西蔵?阿里(ガリ)地區(qū)改則県の公式発表によると、同県古姆郷付近でこのほど、チルーの大移動が確認(rèn)された。規(guī)模は約3000頭。毎年夏になると、現(xiàn)地のチルーは固定ルートを通り北(青海省方面)に移動する。
可可西里國家級自然保護(hù)區(qū)管理局は現(xiàn)在、保護(hù)基地の人員を増やすなど、チルーの移動の「護(hù)衛(wèi)」を開始している。チルーの群れが青蔵道路を橫斷しようとするのを発見次第、交通規(guī)制を開始し、ヒトによる干渉を極力回避させる。
野生生物保護(hù)學(xué)會(WCS)の科學(xué)者のジョージ?シャラー氏はこのほど、青海省西寧市で、「現(xiàn)在、世界中にこのような有蹄類の大移動はわずかしか殘っておらず、この不思議な景観を留めることは中國、ひいては世界にとって重要な意義がある。世界にはここほど素晴らしい場所はない。多くのメスのチルーが集まり出産する。近くには湖があり、遠(yuǎn)くには雪山がある」と述べた。
チルーは國家1級保護(hù)動物で、主に標(biāo)高3700?5500メートルの高原の草原と牧草地、それから標(biāo)高の高い寒く荒れ果てた地帯に生息し、朝晩に餌を求め、走ることを得意としている。(編集YF)
「人民網(wǎng)日本語版」2019年5月25日