中國國家博物館飲食文化センターの責(zé)任者である廖飛さんが大學(xué)で學(xué)んだのは文化財(cái)鑑賞。中國國家博物館で働いて15年になり、常設(shè)展示している文化財(cái)についてはすっかり把握している。飲食類の文化クリエイティブ商品の擔(dān)當(dāng)になってからは、文化財(cái)を見るとすぐに「どうやって食べるか」を考えるようになったという。
中國國家博物館の「十大至寶」の一つである「四羊方尊」は、國外への持ち出しが禁じられている特級文化財(cái)だ。しかし今、來館者はこの至寶を「四羊方尊3Dチョコレート」の形で持ち出すことができる。廖さんは、「文化クリエイティブ食品は『顔面偏差値』だけでは不十分で、中身があるかどうかがカギ。羊の象徴する意味として民間で最も広まっているのは『吉祥』。それに、羊には『跪いて乳を飲む』習(xí)性があり、両親に対する尊敬の手本ともされている。そこで、國家博物館は四羊方尊の『羊』と『尊』のイメージを殘し、吉祥と目上の人への尊敬の意味を込めて、ミニチュアサイズのブラックチョコレートを作った」と語る。
中國國家博物館「四羊方尊3Dチョコレート」
廖さんは、どんな文化クリエイティブ商品を作ったとしても、その商品に中身と魂を與えるのは常に文化だと考えている。廖さんは、「現(xiàn)在は文化クリエイティブ商品の同質(zhì)化競爭が激しい。でも、自分たちの特色を備えたものを作り、表現(xiàn)したい意味を伝えられているだろうか。勝負(fù)しているのはその題材だと思う」と語った。
頤和園には貴壽無極院という場所がある。ここは、西太后が聴鸝館に京劇を鑑賞しに行く前に茶を飲み、お菓子を食べるための休憩所だった。貴壽無極院は、清朝宮廷スイーツを開発する上で文化的な環(huán)境を提供した。頤和園はスイーツを開発しただけでなく、貴壽無極院內(nèi)の天井や渡り廊下の伝統(tǒng)建築紋様の要素を取り入れ、スイーツ商品とセットの紙ナプキンをデザイン。スイーツとも非常にマッチしたデザインとなっている。
頤和園の宮廷スイーツ
今年の夏、最も季節(jié)とシーンにピッタリだった文化クリエイティブ食品といえば、おそらく円明園のハスの花型アイスだろう。このアイス発売のバックグラウンドには、考古學(xué)上の不思議なストーリーがある。2017年、円明園の東側(cè)にある長春園の東南隅に位置する如園遺跡から、11粒のいにしえのハスの実が発掘された。中國科學(xué)院の専門家が丹精を込めて育てた結(jié)果、まいた種のうち6粒が発芽に成功し、今年の夏、円明園で花を咲かせた。7月31日から、円明園ではハスの花の形をしたアイスを発売し、半月足らずで5萬本を売り上げたという。
円明園のハスの花型アイス
(編集AK)
「人民網(wǎng)日本語版」2019年8月30日