中國でも現(xiàn)在、「生活習(xí)慣病」患者が増加しており、例えば糖尿病患者はその數(shù)が急増している。世界保健機関(WHO)の統(tǒng)計によると、中國の糖尿病患者數(shù)は1億人を超え、健康や社會、経済に深刻な影響を與えている。糖尿病の予防や治療、さらに中日両國が関連の醫(yī)學(xué)分野で展開している?yún)f(xié)力事業(yè)について、中國にたびたび足を運び、糖尿病のボランティア診察を行っている日本の著名な糖尿病醫(yī)?飯塚陽子博士にインタビューを行った。人民網(wǎng)が伝えた。
中國と深い縁で繫がれた飯塚博士
飯塚博士は現(xiàn)在、東京大學(xué)醫(yī)學(xué)部附屬病院糖尿病?代謝內(nèi)科で糖尿病の臨床、研究、教育などに20年以上攜わっている。
飯塚博士は中國とも深い縁があり、「父親が中國人で、母親が日本人。中國で生まれ育った」と話す。
そのため、飯塚博士は中國にも深い思い入れがある。そんな彼女は日本経済産業(yè)省國際醫(yī)療交流調(diào)査研究事業(yè)委員や日中醫(yī)學(xué)協(xié)會日中醫(yī)療交流協(xié)議會委員なども務(wù)め、中日醫(yī)學(xué)交流や協(xié)力を促進している。
飯塚博士が糖尿病治療をめぐるプロジェクトを中國で実施するようになったきっかけは、2010年に招待を受けて中國で糖尿病治療に関する講演を行い、三甲病院(中國で最高クラスの病院)2ヶ所を見學(xué)したことだ。そこで、數(shù)多くの糖尿病患者を目にして、長年かけて積み重ねてきた治療理念や経験を中國に伝えたいという思いが芽生えたという。
それは、ちょうど日本政府が醫(yī)療サービス國際化推進事業(yè)を公募していた時で、飯塚博士は帰國後、渡りに船とばかりにその申請を出し、中國での糖尿病のボランティア診療や関連の醫(yī)學(xué)交流を先頭を切って行うようになった。
2011年、飯塚博士は醫(yī)師や看護師、薬剤師、栄養(yǎng)士、関連の醫(yī)療機器メーカーなどからなる醫(yī)療チームを引き連れて、上海を訪問し、中國で第1回目となるボランティア診療をスタートさせた。同年10月から2012年2月にかけて、同醫(yī)療チームは上海を5回訪問し、ボランティア診療を合わせて9日間実施し、糖尿病患者260人以上を診察した。
その話を聞いた浙江省杭州市のある病院は、飯塚博士率いる醫(yī)療チームにオファーを送った。飯塚博士は上海から日本に戻り、スケジュールを調(diào)整して、同年、再び醫(yī)療チームと共に杭州を訪問し、ボランティア診療を行った。
その後、2015年に再び仕切り直しを行い、飯塚博士率いる醫(yī)療チームは北京を訪問し、第3回目となる中國ボランティア診療を行い、この3回の診療で、合わせて600人以上の糖尿病患者を診察した。中日醫(yī)學(xué)交流促進の面で貢獻したとして、 2014年、飯塚博士は、中曾根康弘賞?奨勵賞を受賞した。
「チーム醫(yī)療」という糖尿病醫(yī)療理念を伝授
飯塚博士は長年の臨床、研究、教育実踐を経て、「チーム醫(yī)療」という方法を?qū)g踐している。飯塚博士は、歐米人と比べると、アジア人のインスリン分泌能力はかなり低く、薬物の用量が歐米並みの中國の場合、患者は低血糖を発癥することが多いほか、食べるものや飲み物を厳しく制限すると、患者が落ち込み気味になったり、治療に対して不信感を抱いたりするようになるという。
試行錯誤を経て、飯塚博士は、食習(xí)慣や運動、生活習(xí)慣を改善することをメインとし、薬物療法をサブとする糖尿病治療において、醫(yī)師、看護師、薬剤師、栄養(yǎng)士が連攜して治療に當たる「チーム醫(yī)療」が重要と考えている。醫(yī)師が診療、看護師が糖尿病教育とフットケア指導(dǎo)、栄養(yǎng)士が食習(xí)慣と生活習(xí)慣を改善する指導(dǎo)、薬剤師が服薬指導(dǎo)を行う。各ステージで行うことを明確、かつ合理的に設(shè)定した治療を継続して行うことで、患者に積極的に治療に取り組んでもらうことができ、良い効果を挙げることができる。
飯塚博士は、中國人と日本人は同じ東アジア系民族であるため、中國でも同じ治療方法が効果的であると考え、醫(yī)療チームを引き連れて上海、杭州、北京でボランティア診療を行い、日本と同じ「チーム醫(yī)療」を?qū)g施したところ、優(yōu)れた成果を挙げた。上海で、糖尿病を20年以上患っている80歳近くの高齢者は、同チームの診療を受け、「カロリーとバランスに注意すれば、何を食べても大丈夫」という指導(dǎo)を受け、同患者は2011年10月から2012年2月の間に、5回診療を受け、その病情に目立った改善が見られた。最後の診療の際には同患者から飯塚博士に感謝の手紙が手渡されたのだという。
上海、杭州、北京でボランティア診療を展開し、中國の數(shù)多くの患者が、飯塚博士が実踐する「チーム醫(yī)療」を知るようになった。飯塚博士によると、「ここ數(shù)年、100人以上の患者が治療を受けるためにわざわざ日本にやって來た」という。
醫(yī)學(xué)を中日交流の架け橋に
中國の多くの患者に認められ、期待されたことを受け、中國と深い縁のある飯塚博士は、中日の醫(yī)學(xué)の分野の交流、協(xié)力を促進し、醫(yī)學(xué)を中日友好の架け橋にしていくという思いを一層強めている。飯塚博士は、「自分が長年積み重ねてきた専門知識と経験、さらに中國語が話せるというメリットを生かして、中日両國に、糖尿病をテーマとし、予防、診斷、治療を一貫させた體系を確立させた臨床、研究、教育を含む協(xié)力拠點を構(gòu)築したい」とその目標を話す。
飯塚博士は、今月下旬に、東京大學(xué)醫(yī)學(xué)部附屬病院のメンバーと共に北京を訪問し、中國の複數(shù)の病院と交流を展開するほか、関連の國際醫(yī)療ツーリズムイベントに參加する計畫という。
今回の北京訪問中の交流や出展について、東京大學(xué)の副理事、醫(yī)學(xué)部附屬病院の塩崎英司病院長補佐は、「東京大學(xué)は、日本最高峰の大學(xué)で、各研究、教育の分野で非常に高い実力を誇る。そして、多くのノーベル賞受賞者も輩出してきた。醫(yī)學(xué)部の附屬施設(shè)として設(shè)立した附屬病院は160年の歴史があり、日本最高の醫(yī)學(xué)臨床、研究水準を誇る」と説明する。
塩崎氏は、「中國は現(xiàn)在、急速な高齢化に直面しており、糖尿病を含む生活習(xí)慣病患者が急増中だ。どのようにライフスタイルを改善して、健康を促進するかに、中國の各方面が重視している。高齢化社會としてこの課題に先行していた日本は、『予防醫(yī)療』という概念を打ち出し、ライフスタイルの改善から著手して、病気、特に高齢化と関係のある病気の予防をメインとした治療を行っている。例えば、糖尿病では、一次予防(発癥予防)、二次予防(合併癥予防),三次予防(合併癥による臓器障害を予防)という具體的な目標を掲げている。當院は、中國への訪問と交流を通して、日本のこの分野における経験を、中國の醫(yī)科學(xué)関係者や患者に伝え、中國の健康事業(yè)に寄與したい」と語った。
「人民網(wǎng)日本語版」2019年11月22日