浙江大學で12日、原寸大で複製された雲(yún)崗石窟の「音楽窟」が正式に完成した。3Dプリントによる移動可能な洞窟複製はこれが初となる。中國新聞網(wǎng)が伝えた。
雲(yún)崗石窟は仏教が前漢から後漢の時代にかけて中國に伝わった後、最初に宮廷によって建造された大型の石窟寺院で、その洞窟の形狀と造型スタイルは仏教界や考古學界から「雲(yún)崗様式」と呼ばれ、紀元5世紀の世界の建築と彫刻蕓術の優(yōu)れた水準を體現(xiàn)している。高精度デジタル化技術と3Dプリント技術によって複製された石窟では、「音楽窟」(第12窟)の形狀や美しい彫像、千年以上にわたる風化が殘した細かな痕跡まで精密に再現(xiàn)されている。
説明によると、「音楽窟」と呼ばれる雲(yún)崗石窟第12窟は紀元5世紀に作られ、「前殿後室」の構造で、奧行き14メートル、幅11メートル、高さ9メートル。石窟內(nèi)には多くの天宮の伎楽や中國と外國の楽器が雕刻されており、當時流行した音楽やその時代の特徴が表現(xiàn)されている。これらの天宮伎楽を表現(xiàn)した彫像は、中國の古代で最も早い「宮廷交響楽団」とも考えられ、中國の音楽?舞踴史において極めて重要なものとなっている。
今回複製に成功した第12窟は、1辺が2メートルの正方形の積み木狀パーツ110個を6層に積み重ねて作られているという。こうした積み木狀のパーツは軽量の材料でできており、総重量は約2トン。標準コンテナ車8臺に積載でき、1週間で組み立てられ、展示できるようになる。
雲(yún)崗石窟研究院の盧継文副院長は、「この移動可能な第12窟は永遠に幕が下りることのない『音楽會』になるだろう。今後は、3Dプリントした『音楽窟』を世界各地で展示し、より多くの人に中華文化に觸れてもらえるようになる」と述べた。(編集AK)
「人民網(wǎng)日本語版」2020年6月13日