シャープペンシルを選ぶのにかかった時(shí)間は1分だったのに、お金を払うのに40分もかかった。浙江省杭州市の徐さんは最近、そんな経験をした。彼女はある店でシャープペンシルを2本購(gòu)入。値段は16元（1元は約 17.75円）だった。しかし、お金を払う時(shí)になって、店の電子決済システムが故障していることに気付いた。現(xiàn)金しか使えないため、徐さんは仕方なく勇気を奮い起してお金を貸しくれる人を探した。そして23人に聲をかけて、ようやく20元借りることができたのだという。北京青年報(bào)が報(bào)じた。

中國(guó)ではモバイル決済の普及が進(jìn)んでおり、外出する時(shí)でも多くの人が現(xiàn)金を持たない。23人に聲をかけてやっと現(xiàn)金20元を借りることができたというのは一つの縮図で、テクノロジーが発展して生活が便利になっていると同時(shí)に、逆にそれに振り回されてしまうことがあるということをよく示している。モバイル決済に依存している消費(fèi)者は、それが使えないとなると、まさにアタフタしてしまうのだ。

徐さんの例のような気まずい経験は、「キャッシュレス社會(huì)」が完全に到來したわけではないことを體現(xiàn)している。店側(cè)の立場(chǎng)であっても、消費(fèi)者の立場(chǎng)であっても、テクノロジーというのは萬能ではなく、盲點(diǎn)や死角も存在するということを心に留めておかなければならない。消費(fèi)者の場(chǎng)合、リスクマネジメントという意識(shí)を培い、不測(cè)の事態(tài)の時(shí)に現(xiàn)金が使えるようにしておいたほうが良い。また、店側(cè)の立場(chǎng)の人も、高齢者やスマホの電池が切れてしまった人が現(xiàn)金も使えるように準(zhǔn)備しておくほか、ネットワークや決済システムが故障した時(shí)などに備えておかなければならない。「現(xiàn)金利用を斷ってはならない」というルールがあること自體、店側(cè)に現(xiàn)金を少し準(zhǔn)備しておき、さまざまな消費(fèi)者の異なるニーズに応えられるよう求めているということでもある。

農(nóng)業(yè)社會(huì)、工業(yè)社會(huì)、情報(bào)社會(huì)、スマート社會(huì)といったギャップの激しい多くの社會(huì)形態(tài)が同居する中國(guó)では、モバイル決済の普及を大々的に推進(jìn)しながらも、従來の金融サービスを完全に捨てることはせず、殘しておかなければならない。従來の金融サービスは一部の層しか利用しない、あるいは突発的な狀況下でしか使わないかもしれないものの、一般市民の権利と尊厳に関わる問題でもある。モバイル決済が従來の金融サービスとの間でメリットとデメリットを補(bǔ)い合いながら健全に融合することができれば、23人に「現(xiàn)金20元貸してください」と頼むという気まずい経験をしてしまう人が再び登場(chǎng)せずにすむだろう。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語版」2021年12月2日