中國グローバル化研究センター（Center for China ＆ Globalization）と中國社會(huì)科學(xué)院が21日に共同で発表した調(diào)査報(bào)告によると、2011年、個(gè)人の投資可能資産が600萬元（約1億円）を上回る中國人が中國國內(nèi)に保有する資産の総額は約33兆元（約565兆円）に達(dá)し、このうち同年GDPの3％にあたる2兆8千億元（約48兆円）が海外に流出した。また、國內(nèi)の経済研究機(jī)関?胡潤(ルパート?フーゲワーフ)研究院の報(bào)告からも、中國のミリオネアの64％が、すでに海外に移住、あるいは財(cái)産とともに海外移住を計(jì)畫しており、移住先として最も人気が高い國は米國であることが明らかになった。人民網(wǎng)が報(bào)じた。

　「中國海外移住者報(bào)告（2014）」の編集主幹を務(wù)めたCCGの王輝耀?代表は、中國人移民について、「國際市場に優(yōu)れた投資対象があれば、中國が海外資金を吸収するのと同じように、中國の資金が海外に流出することは、ごく正常な現(xiàn)象といえる。だが、現(xiàn)在の中國に見られる『移住者赤字（海外に出る中國人が中國に移り住む外國人よりはるかに多いアンバランスな狀況）』という現(xiàn)象は、決して正常な傾向ではない」と指摘した。

　「中國海外移住者報(bào)告（2014）」の統(tǒng)計(jì)データによると、中國政府が受け入れる國費(fèi)留學(xué)生の割合は、世界の平均水準(zhǔn)よりはるかに低い。2011年、中國に來た外國人留學(xué)生総數(shù)は6萬1211人だったが、中國政府が受け入れた國費(fèi)留學(xué)生はわずか100人前後、全體の0.2％だけだった。また、中國の大學(xué)を卒業(yè)した留學(xué)生は、中國で就職先を見つけなければ、中國で就労するための在留許可証の申請(qǐng)資格が得られないことから、同年に國內(nèi)大學(xué)を卒業(yè)した留學(xué)生に対して中國政府が発給した就労ビザ件數(shù)は「ゼロ」だった。同報(bào)告の統(tǒng)計(jì)データによると、2007年、日本は、日本國內(nèi)の大學(xué)を卒業(yè)した外國人留學(xué)生1萬262人に就労ビザを発給、このうち7539人が中國人留學(xué)生だった。

　CCGの王代表はこのような狀況について、次の通り語った。

　「中國人富裕層のうち30％が海外に移住しているが、海外の富裕層で中國に移住する計(jì)畫を持っている人は、一體どれだけいるのだろうか？現(xiàn)存するデータでは、1％にも満たず、限りなくゼロに近い。この數(shù)値は、優(yōu)秀な海外人材を?qū)毪工朊妞?、中國はまだまだ立ち遅れているという事実を物語っている。國際都市として発展し続けている北京においても、北京に住む外國人の割合は0.4％にとどまっており、居住人口データならば0.2％止まりだ。國際的な大都市である上海を見ても、外國人人口は、いまだに1949年の建國前の人口より少ない。海外人材の導(dǎo)入は、中國が早急に解決すべき重要課題となっている。中國がすべきことは、國內(nèi)人材の育成と海外流出を食い止めるだけにとどまらない。起業(yè)家、投資家、蕓術(shù)家などの各種人材を海外から導(dǎo)入するための措置も、重視?強(qiáng)化し続ける必要がある」

　「中國の資産2兆8千億元と富裕層3割が海外に流出――。これは、我々に注意を促す表面的な現(xiàn)象にすぎない。我々が把握すべき本質(zhì)的な問題は、『移住者の出入り』が、一方通行ではなく両方向にスムーズに流れるような狀況を作り出さなければならない點(diǎn)にある。世界では、正常な人口流動(dòng)が見られる地域もあるが、『出て行くだけで入って來ない』という現(xiàn)象は決して正常とはいえない。海外に移住し、國際的人材が世界規(guī)模で動(dòng)くことは、すでに常態(tài)化しており、グローバル化現(xiàn)象となっている。どの國家も『人材獲得競爭』を繰り広げている。例えば、米國や英國などの先進(jìn)國は、このような人口流動(dòng)を利用し、『移住者ボーナス』を獲得している。中國がこの數(shù)十年間利用してきた國民の人口ボーナスは、経済発展に極めて大きな役割を果たした。だが、これからの數(shù)十年間は、外國人の人口ボーナスや優(yōu)秀人材ボーナスを有効活用できるか否かが、中國が國際的発展を遂げるために対処すべき重要課題となるだろう」

　「中國海外移住者報(bào)告（2014）」によると、國際人材の流動(dòng)は、発展途上國から先進(jìn)國に流れるという特徴を呈しており、世界中で人材が流動(dòng)する狀況のもと、中國政府の現(xiàn)行の人材政策は、もはや國際人材が中國に流れる上でのニーズを満たすことはできなくなっている。中國政府は、出入國制度をより簡便化し、「中國版グリーンカード（永住権）」の発給條件を緩和し、中國國內(nèi)における外國人を?qū)澫螭趣筏可鐣?huì)保障制度を規(guī)範(fàn)化し、さらに多くの留學(xué)生を誘致し、人材流動(dòng)の足かせとなる障壁を取り除き、よりハイレベルの外國人を中國に誘致するため、急ぎ各種措置を講じる必要がある。（編集KM）

　「人民網(wǎng)日本語版」2014年1月24日