筆者は陝西省西安市で生まれ育ち、今は日本で仕事をしている。日本で生活をしていて一番懐かしく、食べたくなるのが、西安の名物でもある肉夾饃(中國式ハンバーガー)だ。(文:徐航明。瞭望東方周刊掲載)
肉夾饃のパンの部分は少し焦げ目が入っており、中には細く刻んだ煮込み肉が入っており、肉汁がたっぷりかけられ、サクサクしたパンと風味豊かな肉がとてもおいしく、肉が入っているにもかかわらずあっさりしている。肉夾饃は軽食であり、見た目が素晴らしいとは言い難いが、おいしい本場の味を出すのは簡単な事ではない。例えば、油は使わず、具も入っていない半発酵のパンは、外はサクサクとしていて、中はやわらかい。具になる肉は、いろんな調味料を使って煮込んだもので、火加減がとても難しく、あっさり味に仕上げなければならない。
日本の西安料理店でも、肉夾饃を食べることができるが、つまみとして出され、大きさも小さく、食感も本場のものとはちがう。毎回、西安に帰ると、いろんなグルメの中でも一番おいしいと感じるが肉夾饃で、それを提供している店はきれいとは言えないものの、そういったことが私の食べたい気持ちを阻むことはない。
肉夾饃を作る原理はハンバーガーと同じだ。1990年代、マクドナルドのハンバーガーが中國市場に進出し、「ハッピーを提供する」をテーマにしたブランド文化と清潔な店內を売りに、中國でもすぐに大人気となった。そして、今では中國各地にマクドナルドがある。一方、中國の「肉夾饃」を売る店のほとんどは依然として街の裏通りにあり、「高級路線」を歩んでいない。
西安人である私は、「肉夾饃が世界に広まる日が來るのだろうか?」とずっと考えている。
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