中國の四川省出身のごく普通の男性が、今、ショート動(dòng)畫共有アプリ「抖音(Tik Tok)」で30萬人近い人々の心をがっちりつかんでいる。
森を抜け、小川にやって來たその男性は、麥わら帽子をかぶり、足にはわらじを履き、大自然の中で料理を作る。ジャガイモと青ネギをすり鉢でペースト狀にし、丸めて數(shù)本の釣り針に付け、小川に放り投げる。すると小さな魚がピチピチと水面から飛び跳ねる。石をまな板代わりにし、釣った魚のうろこを取り、身に十文字の切り込みを2ヶ所入れて、竹筒の中に入れる。そして赤唐辛子に生姜、ニンニクペーストを魚にのせて、油を振りかけ、塩とクミンパウダーを振ってから、竹筒に蓋をしてたき火にかける。焼けるのを待っている間、小川で石を投げて水切りをしていると、しばらくして魚の焼ける香ばしい匂いが漂ってきて、出來上がりを知らせてくれる。竹筒を開くと、唐辛子の下からジューシーな魚が美味しそうな光沢を見せていた。
この動(dòng)畫はTik Tokで500萬回以上再生され、約40萬件の「いいね!」を獲得した。この四川省の山間地帯から來たティックトッカーの「@bashan0915」さんは、世界中の30萬人を超えるフォロワーの胃袋をわしづかみにした。
「@bashan0915」さんの動(dòng)畫にはドラマチックな音楽もなければ、斬新な編集をしているわけでもなく、ずっとゆったりした音楽がかかっていて、時(shí)々カメラの切り替えがあるだけだ。動(dòng)畫には中國の大巴山脈に暮らす人々が、素晴らしい大自然の中で、ゆったりと純天然のグルメを作っている。地面から植物を摘み、川の流れで食材を洗い、たき火や巖石で調(diào)理をする。米國のライターのジェイ?カスピアン?カンが動(dòng)畫を紹介すると、「@bashan0915」さんは注目されるようになり、その動(dòng)畫は人々にこの上ない靜けさと開放感を與えるようになった。フォロワーたちはお腹を空かせてやって來て、動(dòng)畫を見ては満足感を得ている。
?中國農(nóng)村アウトドアクッキングのタグの下、「@bashan0915」さんと似た動(dòng)畫を発信するティックトッカーたちも注目を集めるようになり、たとえば「@michaeladamswarren6」さんや「@jesicahaynes712」さんといったティックトッカーがいる。中國の大自然のグルメが今、Tik Tokで東方の郷土の魅力を世界に伝えている。
中國の料理やナチュラルライフの動(dòng)畫を配信する李子柒さんが海外で人気者になると、世界各地の人々が中國の大自然グルメにますます注目するようになった。こうした動(dòng)畫がなぜ人々の心を打つのか。その理由は、作者が鉄とコンクリートの世界から抜け出し、都市の喧噪を離れ、自然や田園の中で「桃源郷」のような靜かな暮らしをしている點(diǎn)にある。彼らの「匠の心」を持った「自然回帰」の暮らしは、都市化のペースがますます加速する現(xiàn)代にあっては、非常に新鮮で、貴重で、素晴らしいものになっている。自然の中で暮らし、水辺をめぐり、コツコツと畑を耕す人々は、自然の環(huán)境を利用して、大勢(shì)の視聴者が永遠(yuǎn)に手に入れられないかもしれないが、人間として必要な力を見せてくれ、都市から離れて生きてみたいという現(xiàn)代人の夢(mèng)をかなえてくれる存在だ。
素樸で飾り気のない料理だけでなく、中國の自然の美しさを味わえるのもこうした動(dòng)畫の見所の1つだ。料理の場(chǎng)面にちょくちょく挾まれる高い山、さらさらと流れる小川、うっそうとした森林の風(fēng)景、若者が地面にしゃがんで黃色い野の小花を摘む様子、料理をしながらついでに緑の葉っぱを1枚摘み取るしぐさ、川の流れに洗われてピカピカ光る小石。こうしたすべてのことが動(dòng)畫の進(jìn)行とともに、ゆったりと視聴者の目に入ってきて、Tik Tokの海外ユーザーに目の楽しみと舌の楽しみを同時(shí)に與えてくれる。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語版」2021年4月25日