新型コロナウイルス感染癥の中で世帯支出が減少し、日本國民の間で個人の「タンス預(yù)金」(手元の現(xiàn)金を家の中に置いておくこと)が増えている。日本銀行(中央銀行)が3月に発表した2020年10-12月の資金循環(huán)統(tǒng)計によると、日本の個人が保有する現(xiàn)金が初めて100兆円を突破し、過去最高額を更新したという。この現(xiàn)象について、日本の第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストは、「今、人々は使うお金がないのではなくて、使い道がないのだ」との見方を示した。人民網(wǎng)が伝えた。
永濱氏は、「レストランなどの飲食サービスにお金を使いたいと思っても、今の感染狀況では、サービス業(yè)の店の営業(yè)時間が短縮されたり、仕事がテレワークになったりして、お金の使い道がないのだ」としている。
現(xiàn)金を銀行に預(yù)けないで家において置くのはなぜか。人民網(wǎng)が60代-70代の日本人數(shù)人を取材したところ、「銀行の利息が低すぎて話にならない、いっそのこと現(xiàn)金を家に置いておく方が確実だ」と考えていることがわかった。若い人も「タンス預(yù)金」にそれぞれの見方がある。ある30代の男性は、「貯金は『守り』の行動で、『いざというときに』お金があれば緊急事態(tài)に対処できる」と答えた。日本ではこれまで、農(nóng)村地域に暮らしている人や自営業(yè)者が多額の現(xiàn)金を家に置いていた。それが今は、「タンス預(yù)金」をする人に目立った地域差や職業(yè)の違いはなくなった。
日本の銀行預(yù)金の利息はほぼゼロだ。しかし日本のサラリーマンや若い世代の家庭では、家に置いておくよりも、銀行の定期預(yù)金に預(yù)けたり、何かの保険に加入したりして、將來得られる利益をさらに増やそうとする人が多い。ある30歳の女性は、「夫と二人で頑張って働いて貯めた貯金は銀行に預(yù)けるか投資に回すことを考えている?!亥骏螗诡A(yù)金』はしない。日本は元々地震が多い國で、家にお金を置いておくと、自然災(zāi)害が起きた時に、現(xiàn)金が流出してしまうリスクが高くなる。それでも突発的な災(zāi)害に備えて、少しは家に現(xiàn)金をおいて置く。銀行預(yù)金以外に、ネット銀行を通じた投資もいくつか検討中だ」と話した。
「タンス預(yù)金」をよくするのはどんな人たちか。ある60代の男性は、「今『タンス預(yù)金』をする人は高齢者が多く、特に高齢の女性が多い。だから高齢の女性をターゲットにする詐欺グループが多いのだ。ATMの操作や電子マネーの利用に不慣れなのも、高齢者が長年にわたり家に現(xiàn)金を置き続ける理由で、その方がいつでも使えて便利だからだ。また日本で個人情報の漏洩事件などがたびたび発生し、若者も含め、一部のオンライン決済に対する不安感を拭えない人が多く、そのため多くの人が、特に高齢者が手元に現(xiàn)金を貯えておく」と説明した。
永濱氏は「『タンス預(yù)金』の欠點は、利息や配當が全くないことだけでなく、災(zāi)害や盜難に遭った時、損失に対していかなる補償も行なわれないことだ?,F(xiàn)在、日本人が家に置いている現(xiàn)金が増え続けており、これは社會の中で通貨を効果的に使用する割合がどんどん低下することを意味し、日本経済の持続的な低迷の1つの要因にもなっている」と指摘した。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語版」2021年5月19日