石に止まるチョウ。撮影?李嘉嫻
雲(yún)南省紅河哈尼(ハニ)族彝(イ)族自治州金平県馬鞍底郷に位置する「中國?紅河胡蝶谷」景勝地がこのほど、10年ぶりのチョウの大発生を迎えている。1億5000萬羽を超えるチョウの赤ちゃんが1カ月內(nèi)に羽化し、壯大な光景となる。中國新聞網(wǎng)が伝えた。
雲(yún)南省は有名な動植物の王國で、チョウの種類は全國トップの700種余りにのぼる。馬鞍底という200平方キロメートル余りの土地には、全國のチョウの12科のうち11科?400種余りが集まる。うち標(biāo)本と寫真で説明できるのは320種で世界一。
毎年の大規(guī)模な羽化シーズンになると、1億羽単位のチョウが繭から出て羽化する。ここでは「チョウがすぐそばで舞う絵のような光景の中を歩く」というロマンチックなシーンを體験できる。
チョウの舞う林の中を散策する観光客。撮影?李嘉嫻
チョウはなぜ大発生するのだろうか。なぜ馬鞍底で発生するのだろうか。
チョウの大発生とは、毎年5-6月にチョウの幼蟲が短期間內(nèi)に大量に羽化し成蟲になり、空を覆い盡くす景観のことを指す。チョウの大発生が確認(rèn)されているのは現(xiàn)在全世界で2ヶ所しかない。1ヶ所はメキシコで、もう1ヶ所は雲(yún)南省馬鞍底郷となる。モニタリングによると、馬鞍底郷の今年のチョウ発生規(guī)模は1億5000萬羽を超える見通しだ。
チョウは環(huán)境変化の指標(biāo)生物で、生息できる場所の條件が厳しい。卵の段階で寄主植物に付著することで十分に保護(hù)され、激しい雨や強い日差しの害から免れる。幼蟲の段階では、鳥やその他の捕食者から逃れるため頭上を覆う物が必要だ。繭を出ると大半のチョウが花の蜜を吸って生きるが、そのため生息地に多くの被子植物がなければならない。またチョウの羽は、濕度が高すぎる、または乾燥した地域で飛ぶのには適さない。
ルイザワモンチョウの繭。畫像提供は楊鎮(zhèn)文
馬鞍底郷は北回帰線以南の熱帯?亜熱帯の切り換わる地域に位置する。標(biāo)高差が大きく、標(biāo)高によって気候が大きく異なり、さらに森林率が70%にのぼり、自然保護(hù)區(qū)が7733ヘクタールある。比較的良好な原生林と複雑で多様な地域環(huán)境を留めている。そのためここは自ずとチョウにとって最も理想的な生息地になっている。
チョウの群れを撮影する観光客。撮影?李嘉嫻
今年の「中國?紅河胡蝶谷」のチョウの大発生は20日に始まり、約25日間続き6月中旬に終わる見通しだ。
木の幹に止まるチョウの群れ。撮影?李嘉嫻
野生のチョウを最大限に保護(hù)し、より多くの人にチョウの大発生の壯観な風(fēng)景を見てもらうため、金平県及び馬鞍底郷は積極的に毛花酸枝竹や中華大節(jié)竹などのチョウの卵とさなぎの寄主植物、トウワタ、ランタナ、キョウチクトウなど蜜源となる植物の栽培を積極的に支援?模索し、多くの種のチョウの繁殖に「居住地」を提供している。また現(xiàn)地はチョウの個體群の成長の習(xí)慣と繁殖期に基づき、全期間チョウ繁殖生態(tài)システムを構(gòu)築した。チョウの大発生の時期を1.5カ月から6カ月に延ばし、観賞しやすくしている。(編集YF)
「人民網(wǎng)日本語版」2021年5月24日