宇宙での実験の成果が少しずつ私たちの日常生活に影響を與えている。
中國の宇宙ステーションが運営開始してから、どんな興味深い科學実験が行われるのか。航天神舟生物科技集団有限公司への取材によると、將來は宇宙生命科學とバイオ醫(yī)薬品が中國宇宙ステーションの科學実験の重要な方向性の1つになるだろうという。
國際宇宙ステーションでは、すでに世界トップレベルの醫(yī)療関連企業(yè)が生命科學とバイオ技術に関連した実験を行っており、そしてブレイクスルー的な研究成果を上げた。同社の呉城錦副社長は、「宇宙生命科學と宇宙バイオ醫(yī)薬品の分野では、中國內外の市場の動きもニーズも非常に力強い」と述べた。
中國科學院の研究員は、「宇宙ステーションは長期的な微小重力環(huán)境、放射線量が高い環(huán)境、宇宙船外での極端な環(huán)境という実験環(huán)境を提供することができ、複數の學問分野にまたがるシリーズ化した宇宙研究を行うためのインフラを提供できる」と述べた。
実用技術がバイオ産業(yè)の発展を促進
呉氏は、「宇宙生命科學の実験は宇宙でどうやって生活するかの理解を助けるだけでなく、その成果を変換することで地球の産業(yè)にも非常に大きな価値をもたらし、疾病のメカニズムに対する科學者の理解を深め、イノベーション型の醫(yī)薬品研究開発を推進できる。たとえば、メルクシャープアンドドーム(MSD)、アムジェン、メドトロニックなどの多國籍醫(yī)薬品メーカーはいずれも國際宇宙ステーションで醫(yī)薬品と醫(yī)療機器の実験を行っている」と述べた。
呉氏は、「宇宙生命科學は人類の宇宙における活動開始、発展に伴って誕生した新興の學問であり、宇宙科學から枝分かれした重要な部分であり、宇宙科學と生命科學の學際的な分野だ」と説明した。
呉氏によれば、將來の宇宙応用研究の方向性には宇宙生命科學とバイオ技術、宇宙材料科學、宇宙応用新技術及び宇宙醫(yī)學などの分野が含まれるだろうという。
同社は中國空間技術研究院と華潤集団が合弁により設立したもので、業(yè)務にはバイオ醫(yī)薬品、バイオサプリ、種子産業(yè)などの分野が含まれる。2019年には、同集団が同社に8億元(約137億円)以上を出資し、宇宙バイオ技術産業(yè)に資金を投入することになった。
同社の説明によると、同社はすでに宇宙でポリペプチドの生物學的情報の宇宙空間における保存の安定性に関する実験、プロバイオティクス株の宇宙における突然変異誘発に関する実験といった非常に応用の見通しと価値を持つ宇宙空間での実験を行ってきたという。
2020年5月5日、キャリアロケット「長征5號B」が次世代の有人宇宙船のテスト宇宙船を地球の軌道に送り込むと同時に、3種類のデータを保存するポリペプチド生物學的情報記憶裝置を宇宙に送り込んだ。その主な目的は記憶裝置が宇宙での任務で保存したデータの安定性及び記憶裝置の情報伝達の最適化の有効性を検証することにある。
呉氏は、「既存の商業(yè)データの保存技術やDNAなど他の研究開発における保存技術に比べ、ポリペプチド生物學的情報の保存技術には、データの密度が高い、保存期間がより長いといったメリットがあり、數百萬年後でもシークエンスが可能だ」と述べた。
同テクノロジーは宇宙実験室のビッグデータ保存に利用でき、ビッグデータを生み出し長期間保存が必要のある政府機関と商業(yè)機関に幅広く応用できる。さらに暗號化処理が必要なデータの保存にも応用でき、中國の生物學的情報の安全に保障を提供する。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年6月24日