「桶餅」とも呼ばれる「縉雲(yún)焼餅」は、浙江省麗水市縉雲(yún)県の伝統(tǒng)的な軽食で、650 年以上の歴史を誇る。焼餅(シャオビン)は、こねて発酵させた小麥粉の生地に油や塩などを混ぜて円形や四角形にして焼いたものだ??N雲(yún)県で生まれたローカルフードの「縉雲(yún)焼餅」は今、世界で販売されるようになり、カナダやイタリア?ミラノでも店舗が展開されるようになっている。中國(guó)新聞網(wǎng)が報(bào)じた。
浙江省の中南部に位置する麗水市縉雲(yún)県は、溫暖で濕度が高い気候で、雨がよく降り、森林率が高く、自然環(huán)境に非常に恵まれている。地元の人々は純樸で、物産が豊かだ。
縉雲(yún)焼餅
縉雲(yún)焼餅は、一見すると特に変わったところはないが、実際には、材料や作り方に非常にこだわりがある。まず、小麥粉をこねて、4-6時(shí)間かけて発酵させる。気溫や季節(jié)によって配合や発酵時(shí)間を変え、生地の食感を一定にしている。
具材や火加減もおいしい縉雲(yún)焼餅を作るカギとなる。一般的な焼餅には様々な具を入れるのに対して、縉雲(yún)焼餅の中に入れる具は主に豚肉と縉雲(yún)菜干(漬物)だ。
縉雲(yún)県の菜干は他の地域のものと違って、塩漬け、発酵、複數(shù)回のタレ漬け、天日干しなどの工程を経て作られる。こうして作った縉雲(yún)菜干と豚肉を程よい割合で混ぜ、ネギや粉トウガラシを適量加え、麥芽糖とゴマを少しかけて焼き上げると、最高に香ばしい縉雲(yún)焼餅が出來上がる。
16ヶ國(guó)?地域で展開する「縉雲(yún)焼餅」の店
現(xiàn)地のお年寄りによると、昔はてんびん棒の両側(cè)に桶を吊るした売り子が縉雲(yún)焼餅を売り歩いていたという。売り子たちは芝居の一座と一緒に移動(dòng)し、芝居を見るために集まっている人たちを相手に縉雲(yún)焼餅を売っていたのだという。
それが今や、縉雲(yún)焼餅は単なる食べ物であるだけでなく、その制作工程が匠の技となり、無形文化遺産にまで指定されるようになった。そして、道端で売られるローカルフードから、中國(guó)全土、ひいては世界で販売される「大産業(yè)」へと発展している。
焼餅協(xié)會(huì)によると、縉雲(yún)県では2014年に「焼餅弁公室」(縉雲(yún)焼餅ブランディング指導(dǎo)グループ及びその弁公室)が設(shè)置され、焼餅産業(yè)の発展を?qū)熼Tにサポートするようになった。
イベント參加のためイタリアを訪れた縉雲(yún)焼餅のスタッフたち。
この小さな焼餅が、縉雲(yún)県の人々の間に起業(yè)とイノベーションのブームを巻き起こした。2022年末の時(shí)點(diǎn)で、縉雲(yún)焼餅の生産高は30億2000萬元(1元は約19.9円)、従事者の數(shù)は2萬4000人に達(dá)した。そして、中國(guó)全土で8000店舗以上が展開されているほか、米國(guó)やイタリア、スペイン、オーストラリア、アラブ首長(zhǎng)國(guó)連邦を含む16ヶ國(guó)?地域でも店舗が展開されている。海外市場(chǎng)に適応すべく、「郷に入っては郷に従え」で、オーストラリアでは魚などの魚介類を使って焼餅の具材を改良し、ミラノではピザ風(fēng)焼餅を打ち出している。
縉雲(yún)焼餅は近年、地理的表示の証明商標(biāo)や歐州連合(EU)商標(biāo)を取得したほか、「全國(guó)農(nóng)村特色食品」、「中華名軽食」といった栄譽(yù)稱號(hào)も次々と獲得している。 さらに、縉雲(yún)焼餅の制作技術(shù)は2021年、中國(guó)國(guó)家級(jí)無形文化遺産にも指定された。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2023年7月4日