「様式雷」建築設(shè)計(jì)図（2007年登録）

「様式雷」建築設(shè)計(jì)図は2萬(wàn)點(diǎn)以上が現(xiàn)存し、中國(guó)國(guó)家図書(shū)館には1萬(wàn)5千點(diǎn)余り、殘りは故宮博物院や中國(guó)第一歴史公文書(shū)館、中國(guó)文物研究所などに収蔵されている。「様式雷」とは、清代に宮廷建築家として名を馳せた雷氏を指す。始祖である江西人の雷発達(dá)（1619～1693）は清代初期、皇帝が起居する北京の內(nèi)廷での仕事を始め、康熙初年に宮殿の建築に攜わり、その後、內(nèi)廷の建築事業(yè)の責(zé)任者となるよう勅令を受けた。雷氏一族はその後、清代末期まで六代にわたって朝廷建築部門(mén)「様式房」の責(zé)任者であり続け、「様式雷」と呼ばれるようになった。代々の雷氏は200年余りで、北京故宮や北海、円明園、頤和園、靜宜園、承徳避暑山荘、清東陵、西陵などの重要事業(yè)の設(shè)計(jì)図や立體模型を製作した。獨(dú)自性ある雷氏の設(shè)計(jì)図や建築模型は、清代の建築と設(shè)計(jì)プロセスを知る重要な資料である。

『本草綱目』1593年金陵版（2011年登録）

同版は世界でも珍しく、中國(guó)と日本（最多）、米國(guó)の図書(shū)館にしかない?，F(xiàn)在の國(guó)內(nèi)外のあらゆる『本草綱目』の元になっているのがこの1593年金陵版である。同書(shū)は、中國(guó)明代の李時(shí)珍（1518-1593）が編纂した薬學(xué)専門(mén)書(shū)だが、その內(nèi)容は、醫(yī)學(xué)や植物學(xué)、動(dòng)物學(xué)、鉱物學(xué)、化學(xué)など多岐にわたっている。英國(guó)の生物學(xué)者ダーウィンも「中國(guó)古代の百科全書(shū)」と同書(shū)に觸れている。『本草綱目』の全編または一部は18世紀(jì)から20世紀(jì)までに英語(yǔ)?フランス語(yǔ)?ドイツ語(yǔ)?ロシア語(yǔ)?韓國(guó)語(yǔ)などの20言語(yǔ)以上に翻訳され、100回以上再版され、世界的に広まり、西洋でも多くの分野の學(xué)者の研究対象となっている。

『黃帝內(nèi)経』1339年胡氏古林書(shū)堂印刷版（2011年登録）

中國(guó)國(guó)家図書(shū)館に保存される『黃帝內(nèi)経』の同版は、世界で最も古く最も完全な版である。2200年以上前の中國(guó)戦國(guó)時(shí)代に形成された同書(shū)は、中國(guó)古代の伝統(tǒng)醫(yī)學(xué)の実踐経験を系統(tǒng)的にまとめ、中醫(yī)學(xué)の生命観や思考法、認(rèn)識(shí)方法を示したもので、中醫(yī)學(xué)理論體系の土臺(tái)となっている。同書(shū)で示された理論體系と醫(yī)療モデルは現(xiàn)在まで伝統(tǒng)醫(yī)薬によって使われ、西洋醫(yī)學(xué)の參考ともなっており、世界の醫(yī)學(xué)と人類の文明の発展の証と言える。

僑批資料――海外華僑の送金と手紙（2013年登録）

「僑批」は俗に「番批」とも言われ、海外の華僑が民間ルート、後には金融郵政機(jī)構(gòu)を通じ、家族への手紙や言付けとともに行った送金証明書(shū)を指す?！概工膝鹰竽险Z(yǔ)や広東語(yǔ)で「手紙」のこと。広東潮汕や福建ビン南地區(qū)のものが多い。100年余り前、多くの中國(guó)人が生活の糧を求めて東南アジアに赴いた。當(dāng)時(shí)は通信が発達(dá)しておらず、華僑は「僑批」で音信を伝え、故郷に送金した?！竷S批」は海外にいる華僑と國(guó)內(nèi)の家族との紐帯となり、華僑の故郷の発展の重要な原動(dòng)力となった。世界記憶遺産に登録された資料には、「福建僑批」と「広東僑批」の二つが含まれる。三大僑郷（華僑の故郷）のある広東には僑批と関連資料が16萬(wàn)點(diǎn)確認(rèn)されており、このうち潮汕が10萬(wàn)點(diǎn)余り、五邑が4萬(wàn)點(diǎn)余り、梅州が1萬(wàn)點(diǎn)余り。福建の「僑批」は1萬(wàn)點(diǎn)余りにすぎないが、保存期間の幅が広く、ビン南の特徴も持ち、高い資料性を持っている。僑批の數(shù)が多いのは広東、優(yōu)良な資料が見(jiàn)つかるのは福建という言い方もある。僑批は、その真実性や唯一性、獨(dú)自性、希少性、保存性などで優(yōu)れている。一般の手紙とは違い、世界各地の華僑の居住地と國(guó)內(nèi)の出身地とをまたぐため、両地の政治?経済?文化の交流を知ることができ、海外との商業(yè)貿(mào)易往來(lái)、郵便、交通、金融、為替を知る歴史的記録として読むこともできる。後世の手が加わっていない貴重な史料であり「20世紀(jì)の敦煌文書(shū)」との呼び聲もある。

元代西蔵公式文書(shū)（2013年登録）

世界記憶遺産に登録されたのは、22點(diǎn)の貴重な元代の歴史公文書(shū)である。文獻(xiàn)の年代は1304年から1367年と推定されている。このうち4點(diǎn)はパスパ文字で書(shū)かれたもので、元代の皇帝が西蔵（チベット）の地方寺院や官僚に宛てた聖旨（皇帝の命令）であり、元代の中央政府と西蔵地方政府との間で取り交わされた重要文書(shū)の一つである。パスパ文字は、元代にかつて燦然と現(xiàn)れ、百年近く流行した後、人々の視界や意識(shí)から徐々に消えた文字で、紙面に書(shū)かれたパスパ文字の資料は少なく、西蔵自治區(qū)公文書(shū)館に保存されているこれら4點(diǎn)は、元代の西蔵地方政府との関係などの研究に非常に大きな意味を持つ。そのほかの18點(diǎn)はチベット文字の鉄券（瓦狀の鉄製証書(shū)）文書(shū)で、作成年代は1304年から1367年と推定され、當(dāng)時(shí)の地方政権の保有者が管轄の官僚や寺に下達(dá)した文書(shū)が中心で、サキャ法王の法旨やパクモドゥ王の文書(shū)も含まれている。これらの文書(shū)は保存狀態(tài)が良く、その歴史的?文化的価値を人々に知らせることは、元代の西蔵地方の政権の変遷や経済発展水準(zhǔn)などの研究に大きな意義を持っている。これらの22點(diǎn)は、西藏自治區(qū)公文書(shū)館の貴重な歴史公文書(shū)のわずかな一部にすぎない。整理された100萬(wàn)點(diǎn)の資料から選び抜かれたこれらの西蔵歴史公文書(shū)は、長(zhǎng)い歴史と高い価値を持っている。

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2014年6月12日