日本の安倍晉三首相のオーストラリア訪問(wèn)時(shí)、アボット首相は日本による集団的自衛(wèi)権の行使容認(rèn)を高く評(píng)価したうえ、安倍氏の弁護(hù)人まで務(wù)めた。オーストラリア人の首相でありながらこのような政治姿勢(shì)を表明するとは、われわれは実に理解に苦しむ。（文：胡文竜?中國(guó)軍事文化研究會(huì)常任理事。環(huán)球時(shí)報(bào)掲載）

　アボット氏は「たとえ第2次大戦中でも、たとえ日本の行為に賛同せずとも、オーストラリア人は日本人が戦爭(zhēng)中に示した技能と使命を必ず果たす栄譽(yù)観に相當(dāng)敬服した」と述べた。周知のように、第2次世界大戦中に日本帝國(guó)主義の発動(dòng)した太平洋戦爭(zhēng)は中國(guó)や他のアジア諸國(guó)の國(guó)民に深刻な災(zāi)禍をもたらしたのみならず、オーストラリア國(guó)民にも重大な損害を與えた。日本は真珠灣奇襲後、オーストラリアのダーウィン港を數(shù)十回空襲し、真珠灣よりも多くの爆弾を投下した。約1萬(wàn)7000人のオーストラリア兵が対日戦で戦死した。およそ正義感のある國(guó)家や民衆(zhòng)なら、このような戦爭(zhēng)の技能を深く憎まぬ者はいない。だが、アボット氏は心から敬服したうえ、自らの見(jiàn)解を全ての「オーストラリア人」に押しつけた。これはオーストラリアの面目をつぶすものだ。

　今回安倍氏がオーストラリアを訪問(wèn)して両國(guó)間の貿(mào)易パートナーシップ協(xié)定、防衛(wèi)裝備協(xié)力協(xié)定に調(diào)印したことは、首相に就任してからさほど経っておらず、政治的業(yè)績(jī)を挙げることをひたすら望んでいるアボット氏にとっては大きな手みやげといえよう。だが、アボット氏の反応はいささか行き過(guò)ぎだと言わざるを得ない。

　アボット氏は日本による集団的自衛(wèi)権の行使容認(rèn)を大いに稱賛し、その理由としてオーストラリアの「國(guó)民と指導(dǎo)者は歴史のために未來(lái)を臺(tái)無(wú)しにすることを一貫して拒否している」ことを挙げた。アボット氏は第2次大戦中に日本の犯した罪を知らないのか？そうではないようだ。唯一可能な解釈は、過(guò)去の戦爭(zhēng)について過(guò)ちをごまかそうとし、隠そうとすればするほど馬腳を現(xiàn)す安倍氏の弁明を彼が信じ込んでしまったということだ。安倍氏の弁明が言葉遊びであることは、少しでも頭脳明晰な人なら誰(shuí)でも知っている。

　オーストラリアにとって中國(guó)は最大の貿(mào)易相手國(guó)であり、アボット氏が故意に中國(guó)の機(jī)嫌を損ねるはずがない。彼は演説で「豪日の協(xié)力パートナーシップは誰(shuí)かに抵抗するものではない」とも述べた。もしこれがバランスを取るための発言だとするなら、これほど下手なバランス術(shù)はない。アボット氏がオーストラリアにとって最も有利な正しい選択をすることのできる賢明さも持ち合わせていないことは明らかだ。中國(guó)人に対する彼の考えも甘すぎる。オーストラリアメディアでさえ、アボット氏が日本と一緒に中國(guó)に焦點(diǎn)を合わせようとしていることを見(jiàn)抜いている。ましてや中國(guó)人が、彼と安倍氏の調(diào)子合わせが當(dāng)然意味するものを見(jiàn)抜けないわけがない。つまるところ、オーストラリアと日本は米國(guó)のアジア太平洋戦略の停泊地であり、従僕である両國(guó)は米國(guó)の設(shè)けた大きな枠組みから跳び出すことはできない。

　中國(guó)とオーストラリアの間には領(lǐng)土紛爭(zhēng)も、歴史的積怨もない。正常な考えを持つ人なら、アボット氏がなぜ対中問(wèn)題で表に出ようとするのか理解に苦しむ。もしなんの気なしの言動(dòng)だったのなら、アボット氏が中國(guó)に十分な釈明をすることを望む。もし故意に行った言動(dòng)だったのなら、アボット氏はオーストラリアの利益を深刻に損なうだろう。（編集NA）

　「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2014年7月10日