日本の電子大手シャープは12日に公式サイトを通じ、臺(tái)灣地區(qū)の鴻海精密工業(yè)から3888億円の出資を受け、正式に鴻海の子會(huì)社になったことを明らかにした。業(yè)界関係者の間では、「両社の提攜はシャープが損失の泥沼から抜け出すのを助けるだけでなく、シャープは鴻海を利用して全産業(yè)チェーンの配置を進(jìn)め、事業(yè)構(gòu)造の多様化を?qū)g現(xiàn)できるようになる。だが提攜には人事面などでの摩擦がともない、鴻海が厚い期待を寄せる有機(jī)ELパネルの生産スタートにはまだしばらく時(shí)間がかかる」との見(jiàn)方が広がる?！钢袊?guó)経営報(bào)」が伝えた。

▽各自必要に迫られての結(jié)婚

鴻海はすでにシャープへの出資を終え、近く普通株の66.07％を取得する。この情報(bào)が伝わると、シャープの株価は12日に19％も値上がりした。日本の格付投資情報(bào)センターは15日、シャープ株の格付を、「CCC＋」から「B」に引き上げた。

こうして2012年に幕を開(kāi)けた鴻海のシャープ買収劇がついに幕を下ろした。鴻海の郭臺(tái)銘社長(zhǎng)はシャープ再興を第2次起業(yè)と位置づける。複數(shù)の業(yè)界関係者が、「郭社長(zhǎng)のシャープへの大きな期待は、シャープがもつ全産業(yè)チェーンに及ぶ産業(yè)配置、事業(yè)構(gòu)造の多様化などを踏まえてのことだ」との見(jiàn)方を示す。

現(xiàn)在、鴻海傘下の富士康が米アップル社の世界一の下請(qǐng)工場(chǎng)で、主に攜帯電話のケースと集積回路の電子回路基盤を受託製造するが、重要部品の液晶パネルは手がけていない。シャープは有機(jī)ELパネル技術(shù)と資源の備蓄の點(diǎn)で優(yōu)位性が突出しており、第4世代から第10世代までのパネルを全面的にカバーする。第一攜帯電話界研究院の孫燕飆院長(zhǎng)は、「鴻海はシャープ買収を通じて、組立やコア部品から産業(yè)チェーンの川上にあるパネルへと事業(yè)を広げることができ、一體化した全供給チェーンを構(gòu)築することができ、攜帯電話メーカーのワンストップ式原料調(diào)達(dá)?技術(shù)製造を効果的に保障することができる。鴻海はアップルの有機(jī)ELパネルの受注でより主體性と発言権を獲得することになり、またコストパフォーマンスの高い全産業(yè)チェーン構(gòu)造は発展しつつある中國(guó)スマートフォングループにとって非常に強(qiáng)い吸引力をもつことになる」と指摘する。

実際、アップルの事業(yè)との高度な関連性と依存性により、鴻海は最近、業(yè)績(jī)が振るわずにいる。最新の第2四半期（4-6月）の決算によると、営業(yè)収入は5.2％減少して294億5千萬(wàn)ドル（1ドルは約100.7円）になり、利益は同21％減少して5億6600萬(wàn)ドルになり、純利益率は1.92％で12四半期ぶりの最低を記録した。

このたびの買収により、鴻海はアップルへの依存から抜け出せる可能性がある。孫院長(zhǎng)は、「買収後、鴻海の事業(yè)の布陣は攜帯電話やテレビなどの消費(fèi)電子分野だけではなくなり、自動(dòng)車車載システムなどの分野にまで広がる可能性がある。鴻海はここ數(shù)年、電気自動(dòng)車、小売、電子商取引、サプライチェーン?ファイナンス、P2Pなどの事業(yè)への參入を試みてきた」と話す。

深い泥沼に陥ったシャープにとって、鴻海からの出資は干天の慈雨のようなものだった。北京奧維雲(yún)網(wǎng)大數(shù)拠科技株式有限公司黒物家電事業(yè)部の董敏社長(zhǎng)は、「シャープの問(wèn)題は資金不足にある。鴻海の出資後、シャープは小型有機(jī)ELパネルの研究開(kāi)発の上に精力と資本をより多く注げるようになる。また鴻海の受託製造事業(yè)は膨大で、シャープがもつ液晶パネルの生産能力が存分に発揮される見(jiàn)込みだ。シャープブランドのテレビ、攜帯電話、白物家電事業(yè)も衰退傾向から抜け出せる可能性がある」との見(jiàn)方を示す。

▽統(tǒng)合の痛みの時(shí)期に直面か

買収後の明るい未來(lái)像だけでなく、人材の流出やリストラなどのうわさもたびたび聞こえており、両社の結(jié)婚にとってはいささかの懸念材料となっている。

シャープの技術(shù)を重視する鴻海は、技術(shù)者の流出が不可避であることは頭の痛い問(wèn)題だとしている。これについて董社長(zhǎng)は、「人材の流出は不可避だ。企業(yè)間の買収の多くが資本レベルのパワーによって推進(jìn)されるのに比べ、人材の変動(dòng)は異なる企業(yè)文化の摩擦の過(guò)程だといえる」と指摘する。

董社長(zhǎng)は続けて、「郭臺(tái)銘氏は事に當(dāng)たって決斷がすばやく、コントロールの力を強(qiáng)調(diào)する。一方のシャープは液晶事業(yè)で長(zhǎng)年泥沼に陥り、効率は低く、企業(yè)の歴史が100年以上に及ぶため、企業(yè)文化をはじめとする既存のシステムが根深くはびこる。両社の間に摩擦が存在するのは當(dāng)然のことだ。中國(guó)モデルの企業(yè)のガバナンスシステムとモデルを攜えて日本で根を張り、芽吹くには、思考の転換と文化的衝突に対する準(zhǔn)備が必要だ」と話す。

郭社長(zhǎng)の疾風(fēng)怒濤式の事業(yè)再編がシャープにもたらす避けられない痛みを橫目に、郭社長(zhǎng)が準(zhǔn)備して望んだ買収には明確な功利的な色彩があるといえる。

鴻海はモノのインターネット、健康的な生活、スマートホーム、ハイテク、クリーンエネルギーの5分野で、シャープが劣勢(shì)を跳ね返し、優(yōu)勢(shì)に転じることを計(jì)畫する。

現(xiàn)在、モノのインターネットとスマートホームは技術(shù)が日に日に成熟するが、ネットワークや通信の條件、接続の基準(zhǔn)といった外部環(huán)境による支援は十分でない。伝感物聯(lián)網(wǎng)の創(chuàng)設(shè)者?楊剣勇氏は、「こうした事業(yè)を選択して長(zhǎng)期的な布陣を敷くことには確かに高い先見(jiàn)性があるが、短期的な利益成長(zhǎng)源とみなすには時(shí)期尚早だ」と指摘する。

また鴻海はシャープを再編し、有機(jī)ELパネル技術(shù)で業(yè)界から一致した評(píng)価を受けても、供給チェーンに詳しい人からみると、「有機(jī)ELパネルの製造には少なくとも2年かかる。サムスンディスプレイやLGDはこの分野で絶対的な獨(dú)占的局面を形成しており、鴻海が今回の合併買収（M&A）後、ただちに成果を上げることは難しいだろう」という。（編集KS）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2016年8月23日