最近、「顔認証」という言葉はホットワードとなっており、顔認証技術は次々と人々の視野に入るようになり、日常生活の各分野で活躍し、最盛期を迎えている。

▽顔認証時代がもたらす巨大市場

顔認証技術が進展していくにつれて、顔認証の時代が到來しようとしている。業(yè)界関係者は顔認証技術が各分野における応用の限界を突破しつつあり、さらなる活躍が期待されるとしている。

ディープラーニングの登場によって、顔認証の精度が5年前に比べ大いに向上している。生體認証率は以前の70％～80％から現(xiàn)在では99.6％～99.7％にまでアップしており、ビジネス応用の條件が整っている。同時に、決済などで使われる顔認識技術のエラー発生率はすでに十萬分の一という低さを達成している。

顔認証技術が主に三つの分野で活用している。

一つ目は1：N認証で、ある人物が指定団體に屬するか否かを判斷する。入退出管理や都市の安全防止などの分野で利用されている。

二つ目は1：1認証。本人が証明書の情報と一致するか否か判斷する。主に実名認証で利用されている。

三つ目は生體の識別。操作するのが本人であることを確認した上で、アカウントのアクセス権を與える。

顔認証はオンラインからオフラインへと次第に広がりつつあり、無人小売店や第三者決済サービス、ホテルのチェックインなどのシーンにも登場するようになってきている。そのビジネスチャンスに目をつけ、資本も相次いで投入され始めている。2016年、中國の顔認証業(yè)界の市場規(guī)模はすでに10億元（1元は約16.9円）を超え、2021年には約51億元にまで達する見通しだ。

▽技術の精度向上に期待

専門家は今後も顔認証技術が引き続き進展していくとの見方を示している。精度やセキュリティー性能の向上で整形や雙子など特殊なケースに対応する能力が高まる一方、システムの処理量も増加し続けていくとしている。

業(yè)界関係者は顔認証技術の鍵は異なる顔畫像の特徴的なポイントと顔の表情を検出して相互の関連性を確認してから本人であるか否かを判定する點にあるとしている。しかし、顔は常に変化しており、異なる角度や異なるメイクでも特徴的なポイントの検出に影響する。さらに、顔認証による支払いは公共施設や開放的な環(huán)境で行われるので、情況が複雑で変化に富んでおり、セキュリティーへの要求も一層高まっている。

▽疑問一：顔認証技術は精度をどのように確保するか

企業(yè)の多くは自社の認証率が99％を超えたとしている。専門家はこれらの認証率は特定の條件のもと、得られたデータであり、実際の応用シーンは複雑で変化に富んでおり、人のサンプルもさらに多くなるほか、異なる明るさや姿、解像度が機械の識別に影響を與えると見ている。

しかし、これは100％の認証率に達成しなければ技術として応用できないという意味ではない。どんな技術にもエラー率と欠點が存在しており、特定の條件下であったとしても、技術の精度が要求を満たし、エラーによりもたらされるリスクも許容範囲であるならば、その技術は利用価値ありとみなされる。

アント?フィナンシャルの紹介によると、第三者決済サービス?支付寶（アリペイ）はケンタッキー?フライドチキンKPRO店の注文パネルに3D赤外線ディープカメラを搭載し、カメラが顔認証の操作を行う前に、ソフト?ハードウェアを結(jié)合させることで生體の検査をすることで寫真や動畫、模擬畫像などの成りすましを防止するとしている。

▽疑問二：ユーザーのプライバシーをどのように保護するか

専門家は顔の特徴は指紋や虹彩に比べてプライバシーの弱い生體特徴だと指摘している。例えば、自撮り寫真を公開している人が大勢いる點などだ。ユーザーの顔データをどのように守るのかが極めて重要な鍵となってくる。

支付寶によると、支付寶はすでに顔データを暗號化して、特徴的な情報を抽出することによって、取得した顔情報を不可逆的な數(shù)値に転換し、元の狀態(tài)に戻したり、照合することができないようにしていると説明している。

アップルによると、ユーザーのプライバシーを十分に保護するために、取得した顔データをすべてスマホ本體に保存し、クラウドに送信しないようにしているとした。

▽業(yè)界の関連基準を整える必要あり

中國科學院計算技術研究所の研究員は、長年の研究を経て、顔認証技術が確かに大きく進展したが、ユーザーの寫真が如何に送信し保存されるのか、許可を得ていない狀態(tài)で保存またはコピーされたことがあるのかといったプライバシーの保護も注意しなければならないと指摘し、顔認証技術の発展にともない、プライバシー保護を含めた同分野の各基準をできるだけ早く整える必要があるとの見方を示した。

顔認証技術を更に広く活用することは識別率と安全性の更なる向上をベースとするため、大量なデータはディープラーニングの養(yǎng)分として欠かせないものとなる。將來的に、顔の識別採集設備はより多くなり、積み重ねるデータも大量に増えていくことになる。だが、これらのデータが一つ一つの「データの孤島」となった場合、顔識別技術を向上させることはできない。そのため、データシェアとデータの解放の面における牽引力を強化し、技術の発展を促進しなければならないとしている。（編集HQ）

「人民網(wǎng)日本語版」2017年10月18日