メディア報(bào)道によると、2016年11月3日未明、山東省青島市出身の女子留學(xué)生?江歌さんが當(dāng)時(shí)ルームメイトだった劉鑫さんを東京都中野區(qū)の中野駅まで迎えに行き、住んでいたマンションまで帰って來(lái)た際、入り口で待ち伏せしていた劉さんが以前交際していた男性と口論になり、江さんが殺害されるという事件が起きた。このほど、殺害された江歌さんの母親と劉さんが面會(huì)する様子を撮影した動(dòng)畫(huà)が公開(kāi)され、この事件が再び世間の注目を集めている。數(shù)年前から、ニュージーランドや米國(guó)で中國(guó)人が刑事事件に巻き込まれるケースがたびたび発生しており、國(guó)外で発生した刑事事件の裁判管轄権をめぐり、疑問(wèn)の聲があがっている。國(guó)際條約と中國(guó)の法律では、この種の事件の裁判管轄権について、具體的にどのような規(guī)定が設(shè)けられているのだろうか。検察日?qǐng)?bào)が伝えた。

「屬領(lǐng)に基づく裁判管轄権」の原則に関する規(guī)定によると、ある國(guó)の國(guó)民が他國(guó)で刑事犯罪を起こした場(chǎng)合は、犯罪事件が起きた國(guó)の法律を優(yōu)先とする原則で処理が進(jìn)められる。つまり、犯罪が発生した國(guó)が優(yōu)先的に裁判管轄権を有することになる。江歌事件を例にとると、事件は日本で発生したため、たとえ事件の容疑者と被害者がいずれも中國(guó)人であっても、「屬地主義」の原則に基づき、日本の刑法によって犯罪に対する審判が行われる。このような特性から、「屬地主義」の原則は、海外で発生した犯罪事件に対して裁判所轄権を適用する上での「黃金ルール」とも呼ばれる。したがって、中國(guó)人が海外で犯罪者による権利侵害事件に巻き込まれた時(shí)には、ただちに警察に通報(bào)し、現(xiàn)地の司法機(jī)関に犯罪をめぐる事実を申し立てる必要がある。そうして初めて、現(xiàn)地の法律によって犯人は相応の処罰を受けることとなる。

「中國(guó)人による犯罪について、中國(guó)の法律は、容疑者に対する追訴権を認(rèn)めているのか？」という一歩踏み込んだ疑問(wèn)の聲が、多くのネットユーザーから上がっている。もちろん、法律には明確な規(guī)定がある。中國(guó)刑法第10條は、「中華人民共和國(guó)以外の外國(guó)において犯罪を起こした者についても、中國(guó)の刑法に基づき刑事責(zé)任を負(fù)うものとする。外國(guó)で裁判を受けた場(chǎng)合でも、その犯罪行為について中國(guó)の刑法に基づいて刑事責(zé)任を追及することができるが、外國(guó)で言い渡された刑の執(zhí)行を受けた者は、中國(guó)での刑の執(zhí)行が免除または減軽される」と規(guī)定している。つまり、江歌事件について見(jiàn)ると、劉さんの元交際相手の容疑者は、日本で刑事罰を受けた後でも、中國(guó)の司法機(jī)関は依然、法律に基づいて追訴権を行使できる。

だが、追訴権を行使するためには、「容疑者が中國(guó)に帰國(guó)すること」という條件が満たされる必要がある。犯罪容疑者が中國(guó)國(guó)內(nèi)にいるという條件を満たしているならば、刑法第10條の規(guī)定が適用できる。最高人民法院の「『中華人民共和國(guó)刑事訴訟法』の適用に関する解釈」第8條では、「その入境地または出國(guó)前の居住地の人民法院が管轄する。被害者が中國(guó)人である場(chǎng)合も、被害者の出國(guó)前の居住地の人民法院が管轄する」と規(guī)定されている。具體的にこの事件に當(dāng)てはめてみると、もし劉さんの元交際相手が中國(guó)に帰國(guó)し、刑事責(zé)任を追求する際には、その入境地または出國(guó)前の居住地の人民法院が管轄する。あるいは、被害者の江歌さんの出國(guó)前の居住地の人民法院が管轄することも可能だ。

「外國(guó)で起こした犯罪に関して、中國(guó)が裁判を引き継ぐことはできないのか？」―江歌さんの母親と劉さんの面會(huì)動(dòng)畫(huà)を見(jiàn)た多くのネットユーザーが、この疑問(wèn)を話題に出した。容疑者が犯罪を起こした國(guó)で裁判を受ける前に中國(guó)に帰國(guó)した場(chǎng)合は、中國(guó)の刑法の規(guī)定を直接適用し、その刑事責(zé)任を追及することができる。この場(chǎng)合、中國(guó)がその國(guó)と犯罪容疑者の引き渡しに関する?yún)f(xié)議合意を締結(jié)しているか否かに関わらず、容疑者が中國(guó)の國(guó)籍を持っていれば、自國(guó)民は引き渡さないという原則を採(cǎi)用しており、「自國(guó)民不引渡しの原則」と呼ばれる。これに対し、犯罪容疑者が外國(guó)にいた場(chǎng)合は、両國(guó)が犯罪容疑者の引き渡しに関する二國(guó)間條約を締結(jié)しているか否かに関わらず、「屬地主義」の原則が優(yōu)先的に適用される。（編集KM）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2017年11月15日