中國(guó)のSF作家?劉慈欣氏の名作「三體」の日本語版が、発売から1週間で日本に「三體ブーム」を巻き起こしている。
▽発売1週間で第10刷
「三體」は発売當(dāng)日に日本のアマゾンの文蕓作品ランキングで1位になり、初版1萬冊(cè)が完売した。日本の多くの書店が「三體」を目立つ場(chǎng)所に置き、書棚にあった見本さえ売り切れた書店もある。わずか1週間で定価2052円のSF小説がたちまち10刷に達(dá)し、発行部數(shù)は8萬5千冊(cè)になった。
「三體」は売上部數(shù)が驚異的なだけでなく、業(yè)界からの評(píng)判も高く、日本の関係者は口を極めて評(píng)価し推薦している。有名ゲームクリエイターの小島秀夫氏は「三體」のファンで、5月にSNSで日本語版の見本原稿を紹介した。映畫監(jiān)督の入江悠氏は「三體」の帯に「驚天動(dòng)地の人類史網(wǎng)羅SF。膨大な知識(shí)に裏づけされたこの凄まじい想像力は事件だ」と寄せた。SF作家の小川一水氏は、「この作品を読んで、ジェイムズ?P?ホーガンとロバート?J?ソウヤーの作品を中華鍋で炒められたようだと感じた」とコメントした。
▽「三體」はなぜ日本で人気?
「三體」はなぜ日本でこれほど人気が出たのだろうか。翻訳者?大森望氏は「三體」が日本で受け入れられた理由について、「まず構(gòu)想が壯大だ。この小説は伝統(tǒng)的な題材を新しい方法で演繹している點(diǎn)がすごい。非常に衝撃力がある」との見方を示した。
中國(guó)に留學(xué)したことのある中島大地さんは、「『三體』は世界最高水準(zhǔn)のSF作品と同様、実に巧妙に描かれている。その最大の特徴は科學(xué)を非常に信頼している點(diǎn)だ。直感や運(yùn)命ではなく、自分の努力と理性的な思考で未來を切り開くという點(diǎn)に特徴がある」と述べた。
また中島さんは、「『三體』は文化の上でも非常に中國(guó)らしさを備えており、テーマは歐米や日本のSFと違い、小説全體の構(gòu)成も斬新だ」と述べた。
中島さんと同じように熱い思いを語る日本の読者は少なくない?!袱工搐姘驻?。一気に読んだ」、「作者の深い科學(xué)的知識(shí)をベースに、小説のロジックが緻密に構(gòu)成され、読み出すと止まらない」などの聲が次々寄せられる。
大森氏は、「『三體』から読み取れるのはアインシュタインや量子理論といった科學(xué)要素だけではない。中國(guó)の分野や社會(huì)の各方面のコンテンツが含まれ、この作品は単一の価値観では測(cè)れない。描かれた宇宙の複雑さや多様性に、多様な日本の読者が引き寄せられている」と述べた。
作品そのものだけでなく、翻訳者も非常に重要な役割を果たしている。読者からは、「翻訳も素晴らしい。外國(guó)の小説を読んでいる感じがしない」、「まるで日本語で書かれた小説のよう。とても読みやすく、面白い」などのコメントが寄せられる。
▽「三體」の韓國(guó)での不人気はなぜ?
日本で大ヒットして、作者の劉氏はホッと一息ついているかもしれない。
「三體」が世界でヒットしていた當(dāng)初、劉氏は「自分の作品は英語圏では爆発的に売れているが、アジアではそれほど反響がない」と悩んだという。アジアの言語環(huán)境でならもっと大きな反響があるだろうという予想を裏切り、本はさっぱり売れなかった。「韓國(guó)で出版された當(dāng)時(shí)は、たった400冊(cè)しか売れなかった。4000冊(cè)でなくて400冊(cè)だ」という。
大森氏もおかしいと言う。大森氏が7月11日にツイッターで日本語版大ヒットのニュースをシェアし、韓國(guó)語版の初刷りがわずか400冊(cè)(4000冊(cè)ではない)というのは本當(dāng)かウソかと発信した。中國(guó)の熱心な読者からのフォローによると、韓國(guó)版は表紙を見ただけで不人気の原因がわかるという。
この読者は次のように分析している。韓國(guó)の出版社が「三體」に注目した當(dāng)時(shí)、作者の劉氏はまだそれほど有名ではなく、「三體」の影響力も知名度も現(xiàn)在よりはるかに低かった。韓國(guó)の出版社は保険をかけるため、初刷りの部數(shù)を少なくし、デザインにも力を入れなかった。こうして韓國(guó)語版がさっぱり売れないという狀況が作られたのだという。
2019年までに、「三體」は25言語に訳され世界中で発行されている。各國(guó)語版の表紙のデザインは本好きにはたまらないかもしれない。
ハリウッドタイプのSF要素を上手に盛り込んだ英語版 ↓
リアルなSF科學(xué)技術(shù)路線で攻めるロシア語版 ↓
ちょっぴりホラーな感じが漂うタイ語版 ↓
シンプルなデザインで平靜さの中に危機(jī)が潛む感じを演出しているポルトガル語版とギリシャ語版 ↓
しかし韓國(guó)語版はその雰囲気が一変。
え?なんですか?このレトロフューチャー感満載な「スチームパンク」風(fēng)の表紙は!
裏側(cè)はこんな感じ。一瞬、子どもの頃に読んだ「科學(xué)ってなんだろう?」みたいな絵本を思い起こさせるデザイン。
ネットユーザーからは、「路上に並べて売られていた海賊版の本をを思い出した」のコメント。
その後、韓國(guó)語版はさすがにこの裝丁は適當(dāng)でないと判斷したのか、再版に際して別のデザインに変わった。
(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語版」2019年8月1日