新型コロナウイルス感染による肺炎の感染狀況が引き起こしている中國人に対する差別について、イタリアの都市フィレンツェの街中でこのほど、「僕はウイルスではなく、人間。僕を差別しないで」と書いたメッセージボードを立てて立っている中國系の若い男性を、現地の人が次々にハグする一幕があり、多くの人に心溫まる思いを與えている。経済日報が報じた。
その男性は、黒い布地で目を覆い、マスクを著用して、フィレンツェの街中に立ち、新型コロナウイルス感染狀況を背景に生じている差別反対を訴えた。
それを見た通行人は足を止め、次々に男性のもとに歩み寄り、ハグをしていた。
フィレンツェのダリオ?ナルデッラ市長は、2月1日、ツイッターで、「中國人にハグしよう」と書き込み、中國人に対する差別を止めるよう呼び掛けた。ダリオ市長は、「これは世界みんなの闘い」とし、それにまぎれた「心理的テロリズム」を非難した。
この呼びかけはネットユーザーの間で反響を呼び、中國人とハグする寫真をアップするネットユーザーもいる。
また、ダリオ市長の呼びかけは、中國のネットユーザーの間でも賞賛を集めている。
新型コロナウイルス感染による肺炎が生じ、一部の國でも感染者が確認されており、現地の人々は不安な思いを抱いている。しかし、より人々が心を痛めているのは一部の國において中國人留學生や華人に対する差別的行為が見られる點だ。
イギリス「デイリー?スター」紙の報道によると、現地時間1月30日、ある中國人女性留學生がシェフィールド大學に行く途中で、見知らぬ人3人から罵倒されたり、小突かれたりしたという。
この女性留學生は、「その時、私はマスクを著けていたのだが、見知らぬ3人の人がやって來て立ちはだかり、『なぜ、マスクをしているのか?なにか問題があるの?』などと聞かれた。とても怖くて、言葉が出てこなかった」と振り返る。
ドイツ「ディ?ヴェルト」紙の報道によると、現地時間1月31日午後、ベルリンの中心エリアで、23歳の中國人女性留學生が女性2人から「中國ウイルス」と罵られ、唾を吐きかけられた上、髪の毛を引っ張られ、地面に倒れこんだところ、女性2人から頭部を激しく蹴られたという。その後、地元警察は「外國人に対する差別が原因」との判斷を下している。
國連事務総長「感染拡大を背景にした差別を懸念」
現地時間2月4日、アントニオ?グテーレス國連事務総長は米ニューヨークの國連本部で、新型コロナウイルス感染による肺炎の感染狀況に関する記者の質問に答えた際、「新型コロナウイルス肺炎はその感染拡大は速い。このような深刻な狀況下で、罪のない人に対する差別、人権侵害、侮辱などの行為が見られ、懸念している」と語った。
そして、「中國は既に、膨大な資源や力を調達して、対応している。國連は中國のウイルスと闘うための取り組みを高く評価している。また、國連も最新鋭の力と最も質の高い資源を調達して感染狀況に対応している?,F在、世界保健機関(WHO)や國際移住機関(IOM)、國際連合児童基金(UNICEF)などを含む、國連の各機関が積極的に中國やその他感染の影響を受けている國にサポートを提供している」と語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年2月6日