そよ風(fēng)が心地よい夏の夕方、江蘇省蘇州市の金鶏湖では、普段はオーストラリアのメルボルン大學(xué)に留學(xué)している?yún)窑丹螭ぅ踏紊iを楽しんでいた。呉さんは夏休みに帰國(guó)してから、ネットユーザーにイヌを借りて、すでに5回このような散歩を楽しんでいる。中國(guó)新聞網(wǎng)が報(bào)じた。
中國(guó)の若者の間では、イヌを借りて散歩するのがひそかに人気となっており、ネット上では「イヌを飼っている人がいたら、散歩させてほしい」、「今年の夏休みはイヌを借りて散歩を楽しむ」、「大學(xué)生たちに散歩させられて、全國(guó)のイヌが疲れている」といった投稿が目につくようになっている。無(wú)料でイヌを借り、散歩させるというのが、イヌを飼っている人と、飼いたくても飼えない人にとって、「ウィンウィン」の方法となっているのだ。SNS上では、「イヌの散歩代行します」というグループチャットに數(shù)百人が集まり、「引っ張りだこ」のイヌの場(chǎng)合、夏休み期間中のスケジュールがいっぱいになっているほどだ。
呉さんは、「ショート動(dòng)畫(huà)で、まわりの同年代の人がイヌを借りて散歩しているのを見(jiàn)て、すごくおもしろいと思った。そこで、コミュニティの微信(WeChat)のグループチャットでイヌを借りて散歩したいというメッセージを送信したところ、すぐに貸してくれるイヌの飼い主が見(jiàn)つかった。その後、その相手と身分証明書(shū)と學(xué)生証を確認(rèn)し合って、イヌを散歩する時(shí)間やコース、頻度などを決めた。イヌの散歩のショート動(dòng)畫(huà)を作成したり、ライブ配信したりしてその散歩の様子も記録している」と話す。
ショート動(dòng)畫(huà)共有アプリ「抖音(中國(guó)版TikTok)」では現(xiàn)在、「大學(xué)生のイヌの散歩」というタイトルの動(dòng)畫(huà)の再生回?cái)?shù)が合わせて20億4000萬(wàn)回に達(dá)している。また、ソーシャルコマースプラットフォーム「小紅書(shū)」や微博(ウェイボー)でも、「イヌを借りて散歩」関連の書(shū)き込みが多くなっている。中古品フリマアプリの「閑魚(yú)」は、「イヌを借りて散歩」の都市別人気ランキングを発表しており、江蘇省や湖北省などの都市がランクインしている。
あるネットユーザーは、「イヌを借りて散歩は『一石三鳥(niǎo)』。散歩させる人は、規(guī)則正しい生活ができ、ストレスを解消できるほか、ペットと一緒に過(guò)ごす時(shí)間が少ない飼い主の『申し訳ない気持ち』を埋めることができ、さらにはペットの身心の健康にもつながる」というコメントを寄せている。
南京大學(xué)社會(huì)學(xué)院の陳友華教授は、「ペットはすでに現(xiàn)代人の便利なソーシャルアイテムとなっている。多くの大學(xué)生が進(jìn)學(xué)のストレスに直面しているほか、社會(huì)に出たばかりでストレスを感じている若者もいる。ペットに寄り添ったり、觸れあったりすると、ストレス解消につながる。また、ペットの世話をすることで、若者は責(zé)任感を抱くことができるほか、ポジティブで前向きな気持ちになれる」との見(jiàn)方を示す。
ただ、法律関係者は、無(wú)料でイヌの散歩を代行することにはリスクもあると指摘する。例えば、互いに提示し合う身分証明書(shū)の真実性やプライバシー問(wèn)題、安全の問(wèn)題などがある。また借りたイヌが原因で誰(shuí)かが怪我をしたり、ペットが熱中癥になったり、迷子になったりするといった突発的なトラブルが発生する可能性もある。そのため、貸すほうも、借りるほうも、事前によく話し合い、証明書(shū)を確認(rèn)し合い、リスクをきちんと説明しておくことが必要だ。雙方の責(zé)任や義務(wù)について記した契約書(shū)を事前に交わすのがベストだと呼びかけている。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2023年7月12日