日本の東京では今年、これまでにない暑い夏を迎えている。東京の街角に立つと、大勢(shì)の人が足音を立ててせわしげに行き交う様子ばかりが目に入る。東京は本當(dāng)に忙しい街だ。（文：陳言/メディア関係者、日本問題専門家。）

東京の人が立ち止まり、ゆったりした時(shí)間を過ごすのはいつだろうか。この問題に答えるには、新幹線に乗って靜岡方面へ100キロメートルほど移動(dòng)し、熱海に行かなければならない。熱海に行けば答がみつかる。

その名前からわかるように、熱海にはたくさんの溫泉旅館があり、ゆったりした時(shí)間を約束する溫泉旅館「ふふ」もそのうちの1つだ。

ふふの従業(yè)員の説明によると、「ふふと口に出すと、熱いうどんを食べる時(shí)のような感じになる。軽く音を出して、ふふと息を吹きかけると、うどんが少し冷めるけれどおいしさは失わないちょうどいい溫度になり、麺の硬さもちょうどよくなり、絶妙な味わいを醸し出す」のだという。

ふふの社長(zhǎng)はうどん店を経営していたことがある。日本のうどん店は席が少ししかないか、席がないという店が多く、客は立ったままで食べることになるが、リピーターは多い。中國(guó)人にとっては奇妙に聞こえる話だ。だが日本人にとってうどんとは、店の構(gòu)えや価格に左右されることなく、狹い場(chǎng)所でもたまらないおいしさを感じさせてくれる食べ物だ。

日本では大きさによって豪華さやもてなしの心を表現(xiàn)することはほとんどない。小ささこそが、ひっそりと世間から身を隠し、雑音から切り離されたゆったりした時(shí)間を約束してくれる。

同じく熱海にあるふふの系列旅館「せかいえ」も、このような小ささゆえの魅力を體現(xiàn)しており、シンプルでゆったりした空間が広がる。

せかいえの客室はごくシンプルで、部屋の片側(cè)には背の低い長(zhǎng)いサイドボードが置かれ、真ん中に薄型テレビがあり、テレビの両側(cè)は機(jī)や物置場(chǎng)になる。これ以外に余計(jì)な家具は一切なく、窓からは外の景色が見渡せる。