「月でワタの種の芽がでた」という情報(bào)が15日、ネットで広がり、人々を喜ばせた。今回、月探査機(jī)「嫦娥四號(hào)」が生物試験用のジャガイモ、シロイヌナズナ、アブラナとワタといった4種類の植物を月に持ち込んでいる。中國(guó)科學(xué)院國(guó)家天文臺(tái)の研究者である鄭永春氏によると、人類が將來(lái)、月でどうやって生きていくかということを考えて、これらの植物を選んだのだとしている。なかでもジャガイモは栄養(yǎng)価が高いため、將來(lái)の宇宙生活における最も重要な食糧とされている。

中國(guó)空間探測(cè)技術(shù)首席伝播専門(mén)家である龐之浩氏は、「ほとんどの人が知らないかもしれないが、我々の生活でよく見(jiàn)られるもの、例えばインスタントラーメンに入れる乾燥野菜やキシリトール、エアクッションスポーツシューズなどはすべて月探査技術(shù)がもたらしたものだ」と語(yǔ)った。

▽北京の地下鉄に利用されている熱制御技術(shù)

外は寒いが、北京地下鉄9號(hào)線の郭公荘駅構(gòu)內(nèi)は暖かい?！腹P駅のセントラル空調(diào)システムが採(cǎi)用しているのは北京衛(wèi)星製造廠の『神舟北極』高効率集成冷凍ステーションの製品だ」と龐之浩氏は紹介した。

龐之浩氏は、「月の晝夜溫度差は極めて激しく、數(shù)百度もあることから、嫦娥三號(hào)に搭載されている機(jī)械設(shè)備の正常稼動(dòng)を保障するために、強(qiáng)い熱制御システムが必要となった。研究員たちはこの二相流回路技術(shù)を利用してセントラル空調(diào)のような効果を作り出し、嫦娥三號(hào)が晝夜溫度差が過(guò)激な環(huán)境における正常な稼動(dòng)を保障した。こうした技術(shù)をベースに、先の高効率集成冷凍ステーションの製品を作り出した。その省エネ効果はほかのセントラル空調(diào)よりも優(yōu)れており、年平均作業(yè)効率も20％から50％向上し、敷地面積を少なくとも3分の1削減できるため、その建設(shè)周期も5分の4短縮できる。またメンテナンスと輸送も便利で、耐用年數(shù)も長(zhǎng)い」と紹介した。

▽スモッグ抑制に抜群な効果を発揮する燃焼技術(shù)

ロケットエンジンは燃焼によって生じる巨大な推力で「嫦娥三號(hào)」を宇宙に打ち上げている。研究員らはエンジン熱制御技術(shù)をマスターし、また低圧低熱値ガス燃焼などの10種類以上の燃焼技術(shù)を利用し、燃焼産物の成分シミュレーションを核心とする燃焼処理技術(shù)を形成した。

石炭化學(xué)加工工場(chǎng)や石油精製工場(chǎng)、天然ガス化學(xué)工場(chǎng)から排出される排気の中の硫黃の他、火力発電所やセメントキルンから排出される煙の中の硝酸塩は大気汚染の主な汚染物となっている。龐之浩氏によると、工場(chǎng)から排出された酸性気體を処理するために、エンジン燃焼技術(shù)を利用して研究開(kāi)発された燃焼爐が核心設(shè)備となり、それを通して硫黃回収などの工蕓技術(shù)と設(shè)備を開(kāi)発し、硫黃や硝酸塩などの有害物の排出を効率的に抑制できるという。

▽キシリトールや乾燥野菜は月探査プロジェクトがもたらしたもの

キシリトールを生産する設(shè)備も宇宙開(kāi)発技術(shù)から生じたものだというのは意外と人々には知られていない事実の一つ。龐之浩氏によると、「嫦娥三號(hào)」ロケットを打ち上げるエンジンには3000個(gè)以上の溶接部があるという。溶接は要求が極めて高く、溫度差や振動(dòng)、放射などの厳しい試練を受ける必要がある。キシリトール原料の大型リアクターには12萬(wàn)の溶接部がある?？茖W(xué)研究員らが宇宙開(kāi)発で利用されている溶接技術(shù)を大型リアクターの製造に使用して初めて、キシリトールやソルビトールなどが生み出された。

また龐之浩氏は、「実は、インスタントラーメンに入っている乾燥野菜は、最も古い宇宙食のひな型となったもの。このほかに若者の間で人気が高いエアクッションスポーツシューズも宇宙服の製造工蕓を利用して作り出されたものだ」と語(yǔ)った。（編集HQ）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2019年1月21日