「最も美しい書店」と呼ばれる上海の鐘書閣が北京に出店してわずか20日ほどだが、瞬く間にネットで人気の書店となり、業(yè)界內(nèi)では北京以外の地域のいわゆる名だたる「ブランド書店」が続々と「北上」している現(xiàn)象に注目が集まっている。北京日報が伝えた。

鐘書閣に行ってみたところ、高いところに置かれて手が屆かない本や、足元に積まれている本もあった。通路のあちこちに並べられた本を見ながら、折れ曲がった階段に沿って何度も曲がり、ぐるぐるとめぐりながら、ようやく上の階にたどり著くと、そこにはいくつかの書架で構(gòu)成された閲読スペースが複數(shù)設(shè)けられており、一瞬にして外の騒がしい世界と隔絶された空間が広がっている。

「微信（WeChat）のソーシャル機(jī)能『朋友圏（モーメンツ）』を見てこの書店に來た」という來店客の劉松石さんは、「この書店は普通の書店とは違う。正方形の整った形ではなく、伝統(tǒng)的な書店の構(gòu)造を覆した」と語る。書店側(cè)が示した數(shù)字は、開店以來1日の來店客數(shù)は延べ3500人で、雨天にも延べ2500人が來店するという驚くべきものだった。

7月10日に北京市共産黨委員會宣伝部が開催した「北京以外の地域の書店座談會」を取材したところ、このところ北京以外の地域の書店、特に南方地域の書店が相次いで北京に進(jìn)出していることが分かった?，F(xiàn)時點で、西西弗（SiSYPHE）書店は北京で23店舗、言幾又は8店舗、建投書局が2店舗、上海三聯(lián)書店と鐘書閣がそれぞれ1店舗を出店している。さまざまな事象が、北京以外の地域を本拠地とするブランド書店の北京進(jìn)出における勢いがますます強(qiáng)くなっていることを示している。

上海三聯(lián)書店は2015年から実體書店を展開している。2017年5月には書店のアップグレードを行い、浙江省寧波市に2900平方メートルの複合型文化空間をオープンした。上海三聯(lián)書店READWAYブランド運営総経理の張楨宇氏は、「北京のショッピングモール?朝陽大悅城に入居したのは、ここに25-35歳のターゲット層と品の良い家族連れ客が集まる點を重視してのことだ」と説明。さらに張氏は、「北京店は寧波店のアップグレード版。內(nèi)容でスペースを豊かにすることに重きを置いた」と語った。また張氏は、「上海三聯(lián)書店は上海、寧波、北京に書店を出しているが、北京の販売額が最も多い。現(xiàn)在、北京店の毎年のイベントは150-200回に達(dá)しており、年間販売額は1000萬元（1元は約15.7円）に上る」と明かした。

鐘書閣北京店の向愛群店長にとって、ここ數(shù)日の経験すべてがまるで夢のような出來事だったという。向店長は、「北京店はから開店19日しか経っていないが、予想とは大きく異なった。これほどたくさんの人が來店するとは思ってもみなかった」と率直に語った。向店長は、「鐘書閣は2013年に上海以外の都市への進(jìn)出を開始した頃から北京進(jìn)出を考えていたが、いいきっかけがなく、2018年になってようやく実現(xiàn)に向けて動きだした。8ヶ月の準(zhǔn)備期間を経て、北京店がついに開店した」と語った。鐘書閣の意図するところは、設(shè)計デザインの良さで客を引き付け、內(nèi)容の良さで客の足をとめさせ、サービスの良さで客をファンにすることであり、こうした理念が北京の人々の心をとらえたことは明らかだ。

北京以外の地域の書店はなぜ続々と北京に進(jìn)出しているのか。百道網(wǎng)（bookdao）CEOの程三國氏の分析によると、北京は文化関連消費の土壌が豊かで、読書人口と文化層が全國で最も多く、最も密集している。また、北京市は実體書店の発展を支援する優(yōu)遇政策を打ち出しており、支援にこれまでにないほど力を注いでいる。さらに、消費習(xí)慣の変化にともない、北京のハイエンド書店の供給と需要の間に真空狀態(tài)と新たな価値を生む余地が生じ、北京以外の地域の書店が発展のチャンスを見いだしている。程氏は、「北京以外の地域にある書店の北京進(jìn)出はすでに趨勢となっており、しかも政策効果がはっきり表れていくのにつれて、より多くの北京以外の地域の優(yōu)秀な特色あるブランド書店が北京に入ってくるだろう」と予測する。また専門家は、「北京以外の地域のブランド書店が北京に進(jìn)出することで、北京の実體書店の競爭が激化し、淘汰が進(jìn)むだろう。核心競爭力がある書店だけが、將來本當(dāng)に生き殘っていける」と予測している。（編集AK）

「人民網(wǎng)日本語版」2019年7月17日